東放学園

TOHO会

TOHOKAI
東放学園同窓会のためのTOHO会へようこそ!
今日も絶好調

映画・TV

2017年12月20日

12月20日(水)快晴で寒い日々が続いています。今年は年内にも関わらず特に寒い。年が明けたらどうなるのか、自分の部屋用にオイルヒーターを置いた。

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今日はもう20日、新年へのカウントダウンが始まる。

今年もあっという間の一年の様だった。

一応ブログはほぼ毎週書いた、地区TOHO会に出させて頂いた。
家族の一員だった愛犬エルヴィスが逝ってしまったこと。
数多くの美術展に行ったこと。
今はさまざまな出来事が去来して、新しい記憶に刻まれたようだ。

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先週も忘年会があった。
学生時代の仲間(東京在住)と新宿の「思い出横丁」。
夕方、4時半集合 どの店もとっくに開けている。
薄暗い細い路地は焼き物の煙が凄い。
三人しか集まらなかったが、皆元気の様だ。
この店は今は亡き友人の店、弟さんが継いだ。
近ごろはこの界隈外国人観光客が多い。
ネットの情報で「裏新宿の昔の焼鳥屋」として紹介されている?
客の半数は外人だと云うまに、若いヨーロッパ人らしき客。
弟君、凄い元気のよい英語で注文をとる。
迫力に押されて相手は自信無げに言うままに首を縦に振るのだ。

恒例の忘年会今度は熱海あたりでやろうかと言う事になった。
関西の友人の為に。
マア今年もこうして会えてよかったね。(生存確認会)

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そう云えば、先日音響専門学校のO先生からカレンダーをいただいた。
なんと!「ラーメンカレンダー2018」。
ラーメン激戦区の新宿・高田馬場辺りのほぼ全店を網羅。
長年、昼食で実食した記録の集大成!凄いね!マメだね。

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O先生とは就任時以来のご縁でもあり、落語愛好者としても話が合う。
ラーメン記録をカレンダーにするとは彼らしいユニークなアイデア。
さっぱり系の東京ラーメンが好きな私には驚きの濃さでもある。
改めてお礼を言います!

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話は変わるが、NHKのEテレで「100分de名著」と言う番組がある。
ときどき見ていたが、今月はなんとポーランドSFの傑作『ソラリス』。
スタニスワフ・レムの著作だ。世界的な名作でもある。
この番組では初めてのSF小説。
2度映画化されている、。最初はあのタルコフスキー『惑星ソラリス』。
映画化を巡って作者と監督はケンカになったと云う。(テーマの解釈の違い)
今週は第三回目が終わった、小説の核心部分主人公の世界観・恋愛観が分かる。

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まるで生き物の様な未知で不思議な惑星・ソラリスが発見される。
未知の惑星は謎に満ちていて誰も本当のところは知れない。

ある日、ソラリスは宇宙ステーションのクルー一人ひとりの無意識や欲望を読み取り、
それを実体化させて送り込んでくる。

主人公のクリスには昔自殺した恋人をその時のままに送る。
最初クリスは罪の意識からか、そのものをロケットに載せて船外に射出。
しかしそれはすぐに戻ってくる。
クリスの無意識を読みこんだソラリスと共に彼女は変化を遂げる。
そしてクリスは前の彼女とは別ものとして現在の彼女を愛し始める・・・。

これがSFものでなければ通俗的な恋愛小説になるところだが、
ぜんぜん別物になって行く・・・。

人間の理解をはるかに超えた、
別次元での理解不能な絶対他者が
この宇宙には存在しても不思議ではない。
人間は人間の尺度で人間的な宇宙人をよく作ってしまう。
そして訳の分からない者には敵意さえ持ってしまうのだ。

第四回目・最終回はどんな読み込みをするのか・・・。

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ちなみにわたしがこの本を買ったのは学生時代。
ポーランド語→ロシア語→日本語の重訳版だった。
訳が固く、重く、読むのに一苦労した記憶がある。
それから50年あまり。この小説は色褪せない。(改めて本棚から出してみた)
名作と言われる所以かもしれない。

年末に新訳を再度読んでみようと思っている。

OBの皆さん今年はどんな年だったでしょうか?
少し早いですがどうぞ良い年をお迎えください!

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2017年11月08日

11月8日(水)やっと秋らしい天気がやって来た。ようやく洋服の整理が出来そうだ。なにしろこんな不順な天候の年は無かったので。

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やはり、期待通り?いや期待しないようにして、
映画『ブレードランナー2049』を観た。
朝一の回の上映にも拘らずそこそこ席は埋まっていた。

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前作から30年経った世界はもっと状況・環境が悪くなっていた。
だが依然としてレプリカント(アンドロイド)は製造され、
より高機能になっていた。
そして反乱分子の旧型レプリカントを抹殺処理するブレードランナー。
ロス市警の刑事 K(ライアン・ごズリング)が主役。
その存在も変わらなく在った。(より高機能のアンドロイドだ)
旧型のレプリカントを追って行くと、
2019年に女性レプリカントと失踪したデッカード(ハリソン・フォード)元刑事に行きつく。

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彼と会った時、突然外部から攻撃を受ける。
大きな秘密を抱えて、隠れるように住んでいたデッカードとともに逃亡。
やがて真相を知ったKは
降りしきる雪のなか天を仰いで
心底の、無限の孤独に浸されていく・・・。
この作品、本家アメリカでは興行成績が芳しくなかったようだ。
とにかく2時間45分の上映時間は長かったかもしれない。
私はそうは思わないが、ジェットコースター展開のドラマではない。
ストーリーが分かりにくい。

丁寧にじっくりと作り込んだ未来風景の、
ビジュアル・ランドスケープがこの上なく美しいのだ。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督(『ボーダー・ライン』『メッセージ』)は、
細部にこだわるC・Gを極力避け、実物大のセットを組む。
ワンシーン・ワンシーンが映画美術のAランク以上。
SF映画はやっぱり未知の『画』との遭遇が楽しみの一つ。
前作の猥雑感(それはそれで良い)が薄れた。
そのかわり映像全体がシャープで拡張された感じがある。

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前作の大きなテーマであった「人間よりアンドロイドの方が人間的だ」。
『2049』ではやはり主人公のKは自分の存在はなんだろうと茫然自失。
ヴィルヌーヴ監督は人間と言う危うい存在をアンドロイド側から逆照射。
このテーマは極めて哲学的で深すぎるのだ。

監督の前作『メッセージ』では異星人の難解な言語を読み説く女性言語学者。
彼女の人生の物語を読み解く。
大きな物語から個人の存在へズームインするストーリー。
監督は常に人間存在という不確かな存在を探っている。

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私はSFもSF映画も大好きである。
不可思議な事、未知のこと未来のこと等など・・・。

上質なSF文学、映画は食事抜きでもいいと思っている。

近ごろA・Iがチェス、将棋、囲碁に勝っているようだ。
超高速で色々な盤面を学習して長足の進歩。
人類危うし!でもそんなことは無いようだ。今のところ。
遠い未来のことは分からないが。(電源を抜け!)
映画『ターミネーター』的かもしれないが・・・。

余談だが、ほとんどのSF映画で未来は車が宙を飛んでいる。
そんな時代まで生きていられるのやら・・・。

それにしてもあの名作『鉄腕アトム』はロボットで在ることの、
人間では理解できない『孤独』に悩む姿があった。
やはり名作と言われるゆえんだろう。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、次回は『砂の惑星』を撮る予定とか。
期待しないで観に行こうか。

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2017年11月01日

11月1日(水)早くも木枯らし一号が吹いて、巷はコートを着込んだ通勤者が目につく。秋らしい日が少なくあっという間に冬なんて、味気ないですね。

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先日選挙が終わったと思ったら、また選挙。
地元の区議選が公示される予定。
大きな掲示板が路地裏にスタンバイ。
もうすぐ駅前の演説合戦が盛況になるようだ。
「お願いします!頼みます!」は良いけど公約実現をね。

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近所にある図書館で面白い本を見つけた。
『文字の博覧会』LIXIL出版 八杉佳穂監修

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文字どおり世界のあらゆる文字を集めたビジュアル本。
おもに文字ハンターとして名高い中西亮氏の収集がもとになっている。
世界の文字を訪ねて実際に現地に旅して集めたもの。

人類が言葉を使うようになったのは10万年ほど前。
文字のはそれよりずーっと新しく5千年位前と言われている。
人間だけが文字を作り使う生き物だ。
これによって人間は画期的なメディアを手に入れた。
以来文化・文明は飛躍的に発展したのは言うまでもない。

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世界各地で様々な文字文化が存在している。
その使用環境によってさまざまな変化を遂げている。
日本の文字文化は古く中国から伝わった漢字を中心にして
かな文字の発明により識字率が上がった。
アルファベットは26文字だが表音文字で世界中で使われている。
一方幹事は文字数が膨大に多いため昔は一部の者しか使えなかった。
漢字圏以外の人間にはもっと理解不能の様だ。
世界で知られている文字は各国さまざまな字形である。

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シリア文字、ヘブライ文字、アラビア文字、ペルシャ文字
モンゴル文字、ギリシャ文字、エジプト文字、キリル文字
中国文字、クメール文字・・・

漢字文化圏でも契丹文字、西夏文字、漢字、ハングルと独自だ。
文化の盛衰を表すように消えて言った文字数多いと云う。

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まさに百花繚乱、見ているだけで楽しい本である。
人類の発明発見の中でも文字はその頂点のように思える。
実に面白く、興味深いグラフティに巡り合った。

今私は中国古代文字を学んでいる。
殷王朝のあとの「金文」〜「篆書(てんしょ)」

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中国の古代史を学びつつその字形の面白さを実習している。
中国五千年の歴史を垣間見ている楽しさだ。
想うようになかなか書けない、奥が深い世界である。
作品制作に今期も苦労しそうだ。

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話変わって映画『ブレードランナー2049』がロードショー開始。
本棚の奥にアメリカのバランダイン社版の『ブレードランナー』を見つけた。
Do androids dream of electric sheep? 〜原題

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』スマートな題名だ。
フィリップ・k・ディック原作の映画化だった(1982年)。

35年位前TOHOの私のゼミで映画鑑賞をした。
その当時の学生も皆50代半ばになる。

原作は今でも色褪せない名作だ。

今週早速映画館に行ってみようと思っている。
あまり期待しないようにして・・・。

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2017年08月02日

8月2日(水)真夏になっても今年は気象が定まらず、当然のように大雨が降ったり。本当にカラッとした夏らしい陽気になって欲しいものだ。

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先週末、日本ポストプロダクション協会に出向いた。
今年6月に行われた19回の「映像音響処理技術者資格認定試験」の総括会議。
担当して20年余りが経った。今や受験者が1500名以上の規模になっている。
スタート当初は専門学校生がおもな受験者だったが、
今は大学生・一般・まれに高校生も受験している全国規模になった。
この総括では出題の難易度や分かりにくかった問題を検討。
次回(第20回)に備えての検討を重ねた。

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TOHOにいた頃ダメもとで提案したこの試験が、
こんなに大きく様変わりしたののに驚くとともに、
試験問題が今やデジタルを基礎にしたものになろうとは。
時の移ろいを感じる、アナログの時は自分も問題を創っていたのに・・・。

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会議も終了して懇親会。
何時もの顔見知りのある委員から相談された。
若い部下の叱り方についてだ。
「叱る前に相手の身になってその経緯を一緒に考えてみたら・・・」と。
極めて常識的な一般論で答えた。(カウンセリングではないが)

このメンバーでは何時か最年長になっていたようだ。
2次会に誘われたが早々に帰宅した。

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昨日散歩中に、また黒アゲハ蝶に出会った。
自転車置き場の通路のガラス窓に挟まって、
バタバタと出口を探していた。
可愛そうなので指でつまんで、空に飛ばした。(元気で!)

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今年の夏は昆虫に縁があるらしい。
わが家の庭にはトンボが来ていた。
ヒアリはいやだが地球上には、
いろんな昆虫がいる、一番種類が多いとされる一族だ。

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フット思い出したのは「生き物は何故死ぬのか?」と言う問い。
遺伝子学者の中村桂子氏は「生き物は最初は単性で長生きしていたが
両性になることで多くの子孫を残すようになった」との説。
子孫を増やし続ける「多様性」を選んだからだと云う。
生物は自分に似た子孫を増やし続けることで、
結果、種として長生きしているこのこと・・・。

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真夏寝苦しい夜は読書に限る。
あの人気ミステリー・シリーズ、
『フロスト始末』R・D・ウィングフィールド著東京創元社。
いよいよ最終作とあって早速購入。
あいもかわらず自由奔放、下品でだらしなく、けれど捜査推理は抜群のさえ。
常識的な権威を嘲笑い、おちょくる痛快さは健在。
読み出したら止まらない!

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また、かつてハードカバーで出たエリザベス・ムーン著ハヤカワSF文庫。
『くらやみの速さはどれくらい』がようやく文庫化された。
21世紀版『アルジャーノンに花束を』といわれる傑作。
近未来の自閉症者のストーリーだ。
読後感はまたの機会に・・・。

今年も早くも!?8月。
まだ墓の掃除の日程も決まっていない。(兄弟の都合がつかず)
これからまた二ヵ月余り暑い日が続くのか。

OBの皆さんはそれぞれの夏を過ごされるようですが、
どうぞ今年の異常な気候に十分気をつけてお過ごしください。

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2017年05月31日

5月31日(水)先週末は私が関係する業界団体の総会・懇親会が同じ日開催。二つの総会懇親会を「異議なし!」を繰り返し駆け抜けました。

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この時期まだ私にお呼びがかかる業界団体が数社あります。

日程は決まって5月の下旬〜6月上旬に集中している。
先週末は放送派遣関連の団体と映像音響処理(ポストプロダクション)の
総会懇親会を2社とも出席した。

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放送派遣の方の会場は原宿の東郷記念館。
日露戦争の軍神・東郷平八郎を祀っている。(海軍)
(日本海海戦でバルチック艦隊を撃破した)
私が若かったころは「明治は遠くなりにけり」だったが、
今は「昭和は・・・」だ。
母はよく日露戦争の頃のはやり歌を口ずさんでいた・・・。
今でも赤坂に乃木(陸軍)神社もある。
雨上がりの天気だったが木々の緑が色濃く繁って、
すぐそばにある原宿・竹下通りの賑わいとは
とても不思議なコントラストに戸惑ほど。
神社はこの日何組かの結婚式があった。

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夕方は直ちに新宿に移動。
新役員紹介で(私は重任)壇上にに上がり紹介された。
こんな年寄りがもう一期務めることになってしまった。
懇親会では業界の古くから知人や学校関係者と歓談。
放送関連の新技術 4K・8Kの話題も多かった。
最近の技術革新、スピードは以前に増しても加速しているようだ。
フィルム→VTR→データへと矢継ぎ早に変化していくメディア。
その先には一体どんな変革が起こるのか?
SF小説や映画が直ぐに実現してしまう昨今のテクノ事情。
加速膨張する宇宙のスピードと同期しているのか?

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次の日土曜日、わが家の犬が亡くなった。
夕方容態が良くないので見舞いに行ったその直後、
医師から連絡があった。
安らかに、眠るように逝ってしまったようだ。
もうすぐ12歳になろうとしていたが糖尿病が急に悪化。
あっけない最期だった。

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家人がお台場まで行って買っていたウエアが似合っていた。
ずいぶん一緒に散歩した。近所の人や行きずりの人にも人気者だった。
特に年配のおばあさんは立ち止って可愛いと褒めてくれた。
尾っぽをちぎれんばかりに振りどんな犬も好きだった・・・。

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今は語る思い出が多すぎて、
これからそれを思い出すたび悲しみが増すかも・・・。

OBの方にもペットをなくされた方もおられるでしょう。
生きとし生ける者は必ず迎える終末と別れ。
大事な「友」を亡くした悲しみが増す。

今日も出掛けに家の中、何時も彼がいた辺りを見てしまう。
まだそこに居て尻尾を振っているような気がして。

ペット・ロス初期症状か・・・。
また別の世界(パラレル・ワールド)で元気で居るように思おう。

佐久間エルヴィス11歳11カ月。
キミと過ごした日々は忘れないフォーエヴァー!

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2017年05月24日

5月24日(水)このところ東京は毎日のように夏日が続いています。けれど昨日は台風並みの風が一日中吹いて、自転車でこけそうになりました。

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5月に入って夏の様な天気が続いてます。
昨日は自転車で近所に出かけたけたが、風おおいに強し!
ペダルをこいでもこいでも進まないほど。
曲がり角で煽られてコケそうになりました。
見上げると強い日差しと抜けるような青空、目眩がしそう!

「万緑」(ばんりょく)〜 かの俳人、中村草田男が使った新季語が似合う季節。
午後近所の公園も新緑で溢れ、満ち、そして何故か静謐な佇まい。
蝉時雨もなく、時間がフリーズしていた。
真昼の広場の孤独・・・。

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家に帰って先日買った
『オレたちのプロ野球ニュース〜野球報道に革命を起こした者たち』
長谷川晶一著 東京ニュース通信社を読む。

1976年当時全盛だったNTV系の『11PM』に切り込んだ「プロ野球ニュース」。

他局のスポーツニュースとは違い全球団を平等に扱って、
MCに佐々木信也を起用。またたく間に多くのプロ野球フアンを獲得し、人気を博した。

まだ当時はVTR取材ではなくフィルム取材。それこそ時間との闘いであった。
バッターや選手の大きな画を撮る「下カメ」試合全体を押さえる上カメの2台の撮影隊。

取ったそばからオートバイ便で現像所へ直行、即現像。
そしてアナウンスのコメントに沿って編集作業。
毎日が追い込みの日々・・・。
VTRになっても同じ様な作業。
裏方の苦労は並大抵ではなかった。
その一時代を築いた人気番組の盛衰と超職人技で支えたスタッフを
ドキュメントしていく。

そして地上波からの撤退、突然の終焉・・・。

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自分の事を云えば
私は学生時代のアルバイトで生番組のAD(アシスタント・ディレクター)だった。
学校を卒業すると局の制作会社に入社。
スポーツニュースの編集兼ディレクター担当になった。
もちろん45年以上前である。当時先輩のカメラマンは編集がしやすいようにと、
無駄なカットをを撮らず、編集マンは2台のカメラの効果的な切り替えしを心がけた。
それでも試合がもつれ延びてしまうと現場は大追込の緊張感で一杯になる。
「まだ現像は上がらないの!」時間はじりじりと無情に過ぎていく。
なんとかON AIRまにあったときは心神の脱力感がたまらなく良かった.

またある時は「野球ニュース」がオールスターゲームだった時。
色々な画を盛り沢山撮りたくてカメラ台数を増やしたため、
編集が間に合わなくON AIRはアナウンスとテロップという前代未聞の放送事故!
運動部の局長にスタッフ全員大目玉をくらった。

この本、『オレたちのプロ野球ニュース・・・』は私がニュース現場を離れてからの話だ。
今でもプロ野球ニュースは気になって毎日のように見ている。
その昔の様な追いこみスタイルは無いのかもしれないが、
放送の舞台裏は今も昔も語りつくせない苦労話の宝庫だ。

TOHO OBで何人かの人が現在ニュース関係で活躍されていると聞く。
やはりご苦労ははつきもの、今はVTRを余計に回し過ぎるので、
かえって編集が手間取ってしまうとこぼしていた。

放送は常に技術の進歩とともに激変していく。
今度は4K・8Kという超高解像度の映像になると云う。
レーザー・ホログラフも開発中とか・・・。

TVは見ている方は気ままで良い。しかし、どんな職業にもウラの苦労はある。
水鳥が優雅そうに水面を泳ぐその下は必至の足掻き運動がある。

プロたちはそんな事などおくびにも出さない、そんなものなのだ・・・。

最近、夏日が多くなってきました。
OBの皆さん体調管理に気をつけてお過ごしください。

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2017年05月17日

5月17日(水)このところ5月らしい気候になり、外出が楽しみになってきました。家の近所を歩くだけで花々が競うように咲き誇っている、良い季節だ!

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朝夕はまだ肌寒いが季節は変わった。
わが家の庭もそうだが、散歩の度にその色香に、
毎年の事ではあるが驚かされてしまう。
文字どおり「5月の薔薇」も艶やか!

この季節に楽しみにしている大きな桐の木の花が咲いた。
少し強い風が吹くとせっかく咲いた花が一晩で落ちてしまう。(天使のラッパのよう)
勿体ない気がしてそばで見ると可憐な花房が所狭しと積み重なっていた。

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先日は母の日、今年はカーネーションではなく紫陽花。
鉢植えの「花火」と言う名の花だ。(額紫陽花)
品種改良をして見事な花火の様な姿にしたようだ。
一代限りの品種らしく枯やすいので家人は、
日中はベランダに、夜は家の中にと気を使っている。
割と地味な額紫陽花がこんなに華やかな色合いにになるとは。

今いろんな分野で品種改良が盛んなようだ。
犬猫ペットの世界でもミックス種が人気とか。
一代限りで繁殖能力は無いが両種のいいとこ取り。
散歩中によく見かけるようになった。

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先日TVのサイエンス番組を観ていたら、
ゲノム編集の特集だった。
生物の根幹でもある遺伝子を人が操作編集してしまうと云う。
空恐ろしくなる技術革新だ。
ミクロ単位でDNAを文字通り編集してしまうそうだ。
もちろん倫理的な規制もありヒトに対してはデザイナーズベイービーの恐れもあると・・・。

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遠くて近い将来は一体どんな風に生物が変化しているのか。
丁度、図書館から中村桂子著『ゲノムの見る夢』青土社 2015
を読んでいた最中だったので興味は倍増した。

ダーウィンの自然進化論が人間の手にかかり、
あたかも神の様なふるまいで生物に進化変化を加えていくとは。
科学の進歩は着々と我々の知らない間に起きているのだ。
それにしても人間の欲望・好奇心は並外れて強いようだ。

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特に健康ブームは凄いものがある。
BS・TVのスポンサーの数知れず、青汁から健康器具のオンパレード。
朝の公園ではラジオ体操から太極拳をこなし軽いジョギング。
そんな人々が増えている・・・皆さん目標はピンピンころりが最高!
今や90歳当たり前100歳での人生設計図の引き直し。
私個人的にはそんな自信もないので、
寿命が尽きるまでジタバタしないようにと思っている。

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その昔、偉くなりすぎた人は不老長寿の薬を求めて、
世界の果てまでそれを探し続けたと云う。

何百年何千年生き続けている者がいたとすると、
彼は「死」の裏付けのない仮の生命を生きるのだから。
日々刻々の生者の緊張感が無い。
永遠に続く生かされた生を受け入れるだけになりそうだ。
限りがあるから時々刻々を大切にしようとするのだ。

まさに人生の晩年に入っている自分はつくづくそう思う。

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農耕定住するようになった人類は、まだ来ない明日の為に
貨幣経済・貯蓄→もっと貯めなくては、もっともっと・・・。

人類のひとつの歴史は欲望の拡張史なのだ。

この頃TOHO・OBの方も年賀状で還暦と記される方が増えた。
昭和も遠くなりにけりかも・・・皆さんのご壮健で!

PS:前回写真が載せられなかった本『ケンブリッジ・クインテット』を追加します。

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2017年03月22日

3月22日(水)昨日東京は桜開花宣言が出ました。今月末はちょうど見どころか?今日は朝から快晴だが、風は北風寒い一日になりそうだ。

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先週、映画に行った。

ひさしぶりのミュージカル映画、『ラ・ラ・ランド』を観る。
冒頭は画面が横広がりのサイズである1950年代はやった
あの横長の画面シネマスコープと紹介される。
『オクラホマ』『回転木馬』などハリウッド全盛時代を思い出させる。

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私の青春のミュージカル映画と言えば、
高校時代に何回も見たあのミュージカル映画の傑作『ウエストサイド物語』。
若さと新しい振付の群舞は今でも忘れない。
G・チャキリス、リチャード・ベイマー・・・。
ウエストサイドに住むアメリカの若者のエネルギーを感じた。
今でも舞台より映画の方が好きだ。

お話はLA(ロサンゼルス)名物の交通渋滞から始まる。
止まっている車からは様々な音楽が聞こえている。
やがてそこでは車を降りた若者たちの群舞が。
実に滑らかなカメラワーク、それぞれが渋滞を吹っ飛ばすように踊る!
全員が個性的にシンクロしてのダンス・ダンス。
(実際高速道路を一時閉鎖してロケしたようだ)

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どう撮ったのかなあ〜、鮮やかで分からなかった。
ドローンなのかクレーンの併用なのか・・・。

超現実から現実へ。(ミュージカル映画のジャンプ)

LAは夢追い人の街。
主人公の彼・セブは今は古典となったフリージャズ時代に憧れるピアニスト。
自分の店を持ち好きな時好きな曲を演奏する・・・。
いつも俳優を目指すがオーディションに落ち続ける彼女・ミア。
夕暮れ、LAが見下ろせる公園でのデュエット。
ワンシーンワンカットの様な長まわし、舞台と違った良さがある。

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監督はデミアン・チャぜル、前作『セッション』で息詰まる映像を見せた。
今回は過去の様々なミュージカル映画のオマージュが盛りだくさん。
F・フェリーニ、A・ヒッチコック、J・ドミー、M・スコセッシ監督らだ。

歌とダンスで現実からジャンプそしてまた夢を追う。
二人はそれぞれ目指す夢をかなえるのだが。
恋は実らなかった!?が

ここで監督はもう一つの夢の夢を見せてくれる。
「もしもあの時二人が分かれなかったら」のバージョンを用意する、
「れば」「たら」のハッピー版だ。
ミュージカル映画ならではのパラレルワールド全開なのだ!

エンドロールが始まっても誰も席を立たない。
明るくなると場内の客はほとんどが高齢者。(しかも多入り)
MGMミュージカル映画の全盛期を観た人たちかも。
少し不満を言えばもっと歌のシーンが欲しかった。

が2時間余り楽しい時を過ごすことが出来た。

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家に帰って何故かライザ・ミネリ主演の『キャバレー』のDVDを探した。

今夕は「何時もの四人会」で秋田料理を囲む予定だ。
きりたんぽ鍋が食べられるといいな・・・。 

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2017年02月22日

2月22日(水)今週は春の嵐が2日も続いて、風台風に襲われた東京。自転車で転びそうになり、空は黄砂で一面覆われ、春の予告とはいえ、鬱陶しく、いやな時間だった。

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今日は2月22日でネコの日だとか。

そう云えば家の近所にまた動物病院が出来た
現在もペット熱は下がらないようだ。
何時も犬の散歩で通りかかると満員盛況。
院外に人とペットが溢れている。
よく見るとこの頃は猫をケージに待っている人が多いようだ。
またしてもネコブームが到来?

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わが家の犬は糖尿病。毎朝インシュリン注射を打っている。
去勢してから食欲旺盛で、なんでもよく食べすぎていたのが良くなかった。
今では極低カロリーの餌に替えているが、何時も腹をすかしている。
年もとって来た。人間の年齢でいえばちょうど私ぐらいか。
元気ではあるが耳が遠くなっているようだ。
以前は夜足音を忍ばせて家に帰っても誰より早く気付いていたのに。

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この頃は日中も寝ている時間が長くなった。
たまにいびきをかいている時がある。

一日でも長く元気で居てくれるようにと思う。

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昨日散歩していたら駅近くの旧繁華街、路地裏で
小さな旅館を見つけた。
普通の古びたしもた屋風の家の佇まい。
昔、子供の頃に在ったそれだ、まさに小さな旅籠。
昭和の昔が偲ばれる雰囲気に思わず見入ってしまった。
商人やど富山の薬売りやフーテンの寅さんが投宿していそうだ。
もしかして外国のバックパッカ―が泊っていたりして。
とにかくSFのタイムスリップの様な感じになった。

「あのころが懐かしい・・・」と言うようになったらもう歳だという。
確かに色々なメモリーが頭の中に詰まっているようだ。
そして風景や匂い、感覚でそれらがゾロゾロとはい出してくる時がある。

0222-5


あの世界的名著M・プルースト『失われた時を求めて』はまさにそれだ。
紅茶に落ちた一片のプチ・マドレーヌの香りから膨大な小説が始まる。
あまりの長さに完読した人はあまり聞かない。
「無意識的な記憶」に触発され物語が始まる・・・。

とくに匂いの記憶は忘れがたいものがある。
昔、洋服ダンスを開けた時父親のコートや背広についた匂い。
この頃は自分がその匂いに似てきていると感じる時がある。
匂いと記憶の遺伝子のなせる技なのか。
遠くて近くにある記憶たち・・・。

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さっきニュースで知った。あの鈴木靖順監督が亡くなった。
日活映画全盛の頃50年前異色の監督として知られていた。
学生時代から彼のファンだった。
『関東無宿』『けんかえれじぃ』『殺しの烙印』など。
それまでの日本映画にはない感覚美は若者層にうけた。
大胆な様式美、まるで歌舞伎のどんでん返しを観るような映像。(『関東無宿』)
これ以上ないニヒルなタッチの『殺しの烙印』。(この作品で日活を解雇された)
その後『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』で世界的な作家となった。
映像美、映画美をこれほど深く掘り下げた監督はいまだ出ていない。
何本かビデオを持っているので見直してみたい。

彼の作品は同時代に神田日活(映画館・神保町にあった)で観た記憶。
当時日活のスター渡哲也などが主演していた。
無国籍で荒唐無稽な物語展開、想いもよらない映像美が炸裂!
観客の学生たちには大受けだった。
退廃的な大正時代のデカダンスの香りがした。
華やかさの裏側に潜むただれた黒い影の様なものの美しさ。
彼の映像にはそんな時代の匂いがした・・・。

映像の楽しさ美しさを教えてくれた清順さん有難う!
                     
                             合掌
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toho_sakuma at 17:00 この記事をクリップ!

2017年02月15日

2月15日(水)久しぶりに東京は先週、霙(みぞれ)混じりの雨があり、少しホッとしました。北陸、山陰は大雪、東京だったら交通マヒで大混乱必至かもしれない。

0215-1


先週末、久しぶりの雨にカラカラ陽気がほっと一息。
しかし今年は風邪やインフルが大流行り。(周りがやられている)
私も予防注射を受けているのだが、要注意!
少しずつ暖かくなってきてはいるが朝夕はまだまだ寒い。
この気温のギャップが身体にスキを作らせている?
♪梅は咲いたが桜はまだかいな・・・

そういえば遠藤周作の小説『沈黙』が再び映画になった。
小説界で彼は「第3の新人」グループの一人として注目された。
この『沈黙』の背景は江戸初期、長崎ででキリシタン弾圧の頃。
布教活動をしている宣教師が踏み絵を踏むと云う、
大変ショッキングなテーマをあつかった内容。

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50年ほど前にラストあたりまで読んで思わず涙した記憶がある。
自分の信仰がそれで崩れてしまう苦渋の行為を、
人間である限り許されるのか否か・・・。
宣教師が信仰をすててよいのか?
苦悩を重ね苦渋の決断は神はどう見ているのか。(神の沈黙)
何も答えてくれない寂寞たる心の荒野に放り出される・・・。

映画化は2度目だ。
前作は篠田正浩監督が1971年にメガホンをとっている。
今回は『タクシードライバー』などでおなじみの、
マーティン・スコセッシ監督の作品だ。
この重厚なテーマをどんな映像にして見せてくれるのか楽しみだ。

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人間は何時の瞬間でも何かを選択して生きている。
時間軸の中で、運命の様な出来事ばかりでなく意志で選んでいるように見える。
それゆえ後からそれらを振り返ると、それと別の決断・選択を想う。

SF小説の様な多宇宙が並行して存在しているような気になる。
もしあの時そうでなかったったらなど。
決まっているようでまだ決まらない未来が無数に存在しているとしたら。

物理科学の世界では超ミクロな素粒子のふるまい(予測不能)を、
新しい考え方、量子論としている。
将来は量子コンピュータ(超高速)の実現を目指しているようだ。

短絡するようだが私の意識下でもそんな予測不能なことが、
何かを決める時でも存在しているのかと思ったりして。
今まで思っていたことと突然違う選択をしてしまう。
それでも自分は保持されていくのだ。

運命論は後で総括的に自分の歴史を名付けたものか?

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近ごろ国は高齢者(老人)の定義を75歳からにという。
皆長生きしてどんどん働いて沢山税金を納めてくれ!と。
そんな考えが透けて見える。(苦笑)

最近宗教学者の山折哲雄著『「ひとり」の哲学』を読む。
「独居老人」「孤独死」などがネガティブなものとしているが、
本当に自分に向き合う「ひとりの覚悟」に注目する。
日本の中世の宗教家親鸞、道元、日蓮、一遍の求道者の孤独観。
徹底的に自分に向き合うその生きざまから『孤独』を問う。

結局のところ人は皆ひとりで生きひとりで死ぬのだから。

0215-5


現在の自分もそこまで自分を追い詰めなくてもいいのではと
中途半端な自己逃避をして簡単に折り合いをつけてしまう
それでも何とかなってしまうのだが、積み残したものも多いようだ

こんな事を書き綴っているとヒマな考えも面白いと思える。

就寝前、この頃一日の締めくくりの儀式にも使っている・・・・。

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