2019年09月19日
9月18日(水)この頃の日本の気候はどうなっているのだろう?千葉の台風での風水害。電気や水の大切さを改めて痛感する。迅速な復旧が待たれます。千葉のOB、お見舞い申し上げます!
先日神保町に本を買いに三省堂に行った。
懐かしのスズラン通りを歩いていたら小さな映画館を発見。
「神保町シアター」だった。
懐かしい昭和の日本映画を週替わりに上映している
100席ばかりのミニシアター。
館内に入ってスケジュール表を見ると、なんと!あの名作が次週上映と!
早速、初日に観に行った。お目当ての一本のために。
1963年日活作品『競輪上人行状記』西村昭五郎監督のデビュー作だ。
9月の特集 昭和の怪優〜『小沢昭一のすすめ』生誕90周年記念の一本である。
小沢昭一と言えばあのラジオ番組『小沢昭一の小沢昭一的こころ』は
懐かしい!の一言。
また、日本芸能を地べたから取材してLP音盤にしたものは
授業でも使わせてもらった。
さて本編『競輪上人・・・』は、
下町の貧乏寺の次男が兄の急逝でいやいやながら坊主になるが、
ある時始めて行った競輪が大当たり。
そしてギャンブラーに堕ちていく。
寺の再建資金まで手を出してしまう。
それから彼は地方競輪の予想屋になって、ラストシーンだ!
「お前たち貧乏人がなけなしの金をはたいて、
チマチマ迷いながら車券を買っても当たらない」
「この地獄極楽を見た現役の坊主が、当たりを教えるから迷うな!
俺の言う通りを買え。車券には高い税金が仕込んである。
お前たちは立派な納税者だ胸を張れ!・・・」(佐久間記憶のまま)と。
上映フィルムは35ミリ版で、デジタル処理をしていないが状態はまずまず。
50年ぶりに見たが、細部がよみがえってきて
南田洋子が妖艶なのは改めてドキッとする。
人間の欲望のるつぼ競輪場のロケはドキュメンタリータッチ。
盗み撮りのカット。
初めて見たとき話の迫力と、
前半の小沢昭一のストイックな演技がラストで大反転。
辻説法まがいの、アジるような予想屋の口説き文句は迫力を超えて感動した。
時を経て心に残る作品を見るのも悪くない。
授業をさぼって、近くの今は無き神田日活館で見たような記憶が、
まさかこの時代になって劇場で青春期の思いが詰まった映画を見るとは。
観客のほとんどが、かなりの年配者(自分も)なのは予想通り。
上映中くすくす笑いが随所で聞こえてくるのが、さすがオールドシネマファン。
気負わずゆったりと鑑賞しているのだ。
ちなみにリアルな話の原作は、あの現役の住職でスポーツ評論家だった。
直木賞作家 寺内大吉『競輪上人随聞記』
私はギャンブルをやらない。
勝ったり負けたりで気ぜわしいのが好みでないから。
人生はギャンブルだ!というがそんなものでもないような気がする・・・。
長かった昭和中期の思い出の映画に巡り合えたことが嬉しい!
退屈な爺の昔語りでした・・・。
今週末はもう盛岡のTOHO会が開催される。OBの皆さんよろしくご参加を!!