2018年10月10日
10月10日(水)今年の秋は地震や台風夏の猛暑で秋らしい季節感がないままに過ぎていく。気が付けばもう10月半ば。これから毎年こんな調子では体がもたないかも。
関東各地の海が近い公園の草木が立ち枯れている。
塩害のようだ。我が家の植木も草花もやられた。
台風25号の強い潮風をまともに受けていた。
立木は風の反面だけ葉っぱが枯れて庭掃除が大変。
東京湾の河口からはかなり離れているのに、
今更自然の脅威はすごいものだと思った。
あと20年ぐらいで気温が2度上昇するというが、
生態系だけでなく様々な影響が出てきて完全な亜熱帯化。
現在の東南アジアの気候になるなんて想像がつかない。
そのうち赤や青の熱帯魚が東京湾を泳いでいたりして。
今日は庭のバナナで朝食だなんて、笑えないかも。
昨日今日はなぜか夏日で蚊が元気になって刺されてしまった。
庭の秋の虫も今年最後のか細い鳴き声。
でも昆虫は様々な形で長く生き延びている。
「昆虫すごいぜ!」(Eテレ:香川照之)に共感!
今年も何本か見てしまった。昆虫好きの大人は意外と多い。
少年の頃、捕虫網を振り回していた夏休み。
私は特に蝶の鱗粉の手触りやにおいが思い出される。
『バカの壁』の解剖学者 養老孟司、『動的平衡』の福岡伸一は昆虫フリーク。
昆虫の複雑で多様に進化しているさまは不思議そのものだ。
きっと神様が熱中してデザインしたのかも知れないほど美しい。
あんなに熱中していた虫取り熱もいつしか消え、
探偵小説や映画、絵画と変わっていった。
今更オニヤンマと一日中空中戦をしていた頃が懐かしくなる。
「生命とは何か。生命をモノとして見ればミクロな部品の集合体にすぎない。
しかし、生命を現象ととして捉えると、それは動的な平衡となる。・・・・
(中略)
水の流れには不思議な秩序がある。ねじれのようでもあり、
らせんのようでもある。
少しずつ形を変えつつ、ある種の平衡を保っている。
しかも二度と同じ水ではない。
しかし流れは常にそこにある。・・・・」新版『動的平衡2』小学館新書
鴨長明の『方丈記』のような無常観。
生々流転のなかにそのカタチで生きていること。
川の水は常に変わるが「川」そのものの概念は変わらない。
形ある生命も同じと言えるようだ。
概略外見は昨日と同じようだが、
中身の何十兆の細胞は日に日に生成死滅している。
凄まじい内側が変化しているのに外見はそんなに変わらない。
変化をしているがバランスを崩さないほど、巧みに恒常性を保っている。
生き物の生命は、その危うい平衡バランスに保たれているという。
時代時代で変わっていく「ことば」にも似ている。
読書の秋、夜長に福岡さんの本でも読みなおそうか・・・。