2018年01月31日
1月31日(水)先週は不覚にもインフルエンザB型にかかり酷い目に会いました。今年は例年より大流行しているとの事、皆さんも十分ご注意を!!

先週外出の帰り道、駅に着いて階段を下りていたら、
なんだかだるく足が異様に重く、何か熱っぽかった。
これはと思って近所の医者に飛び込んだ。
熱も38度ありその場でB型インフルと診断された。
それから約一週間、寝たり起きたりでボーっと過ごした。

時折ベランダに出て隣家の蝋梅(ろうばい)を眺めた。
熱が下がった頃その馥郁たる香りがした。
今年も木には野鳥除けのネットがあった。
(メジロがやってきて花をついばむのだ)

年が明けて日没が遅くなり、陽が長くなったようだ。
とはいえ、寒さがきついこの頃。
近年は温暖化と言いすっかり昔の寒さを忘れていた。
東京も私の子供の頃はえらく寒かったのだ。
空き地の霜柱を踏み、用水鉢の氷を割って登校していた。
雪が降った翌日は理科の実験で試験管に砂糖水を入れて
雪で冷やして、アイスキャンデーを創った、嬉しい授業だった。

それから一週間、完治したようなので思い切って外出。
先ずは近所を散歩のつもりがいつの間にか河川敷に。
よく晴れた日なので景色も空気も好い。
人影のない昼下がりの川辺の光景。
陽の暖かさはあるが何故か茫々たる景色に寂寥感あり。
そう云えば前回のブログで光瀬龍の伝記を紹介していた!
SF、サイエンスフィクションのどこが好きと聞かれたら、
未知の惑星の光景、とりわけかっては栄えたであろうその星の
漠々たる壊れかけた無人の都市。
それを見る者は時間の果てに流れる無常を感じざるを得ない。
それらをイメージ豊かに描いたイラストレーターを思い出した!

生頼 範義(おうらい のりよし 1935〜2015)
彼の展覧会が上野の森美術館で開催中なのだ。
近年は「スターウオ―ズ」「ゴジラ」などでおなじみの、
世界的に有名になったイラストレイター。
美術館は何時もの客層とは明らかに違う。
いわゆる中年のオジサンたちでにぎわっている。
彼の作品はどれも何かが違う。特に人物はそのものの歴史まで感じる。
そのものそっくりのリアルさではなく内面の心理や生き方さえも。
それゆえの迫力なのか一点一点にくぎ付けになってしまう。

日本中の彼のファンが湧いて出てきたよう盛況ぶり。
力強い描写力と力強さが見る者を別次元の感動に誘う。
SF小説を買い求める時に彼の描いた表紙画で、
内容のイメージがわいてくるほどすごい力量なのだ。
また歴史物のジャンルでは吉川英二の「宮本武蔵」の挿絵が良い。

この会場の観客とは何時になく親近感を覚えた。
子供の頃、少年誌に「少年ケニア」が連載され、
そのイラストを描いた山川惣治を思い出した。
今はとても懐かしい思い出だ。

病み上がりではあったが行って良かった。
この頃この上野の森美術館は企画が良く当たっている。
前回の「怖い絵」が若い人に受けていた。
今年は6月に「エッシャー展」も盛況になりそうだ。

帰路はアメ横をブラブラ、このぼろは外人観光客でイッパイ!
まるでこちらが異邦人になったような気さえした。
町は何時もその時その時、表情を変えている。
裏道の珈琲屋で一休み、画集に眼を通していた・・・・。
