2016年05月11日
5月11日(水)それにしても連休中は強い風が毎日のように吹き荒れていました。こんなに強い風が続いたGWも記憶にないように思えます。今日も朝から強風!

長かった今年のG・Wも文字どおり風と共に去った。
まあ私はいつでも連休中の身、長い休みには慣れている。
それにしても今年は強い風が吹き荒れた。
そよ風は好きだが、台風並みの強風はいやだ。
特に散歩中は木が見入ってくるし、気持ちが不安定になる。
我が家の犬にいたっては向かい風のときには足を踏ん張り、
「もうダメ!早く帰ろうよ」と路上で動かなくなってしまう。

空は晴れているが風は台風並みの強さ。
もともと物音に敏感な上に小さな体がもっていかれるほどの風。
人間の何倍ものダメージを受けているはず。
こんなときはササッと散歩を済ませ帰宅。
家に戻るとともに風の中の強張りが解けホッとする。
もしこのまま世界中休みなく強風が荒れ狂っていたら・・・。
1960年代イギリスのニューウェーブSFの旗手J・Gバラードは、
『狂風世界』東京創元社 でその異様な光景を描いた。
『沈んだ世界』『燃える世界』『結晶世界』破滅三部作の走りとなる作品。
さまざまな原因で自然界が破滅してシュールに様変わりをした光景。
生き残った人間たちが必死に生き抜いていく・・・。

散文詩のように物悲しく美しい描写に引き込まれてしまって、
次々とこのシリーズを読んだことがあった。
今や日本はまさに「揺れる世界」。
長く続いている余震・・・。

政治の世界も奥底の方から揺れている。
圧倒的な数、無力な野党。
なんだか立憲政治が独裁に代わるような危機感すらある。
いつの間にか格差社会が出来上ろうとしている。
労働者の半数近くが非正規なのだ。
一方経営陣はその利益を還元せずに留保する。
「タックス・ヘイブン」に、
金は天下の回りものではないのか。
厭な時代になっていくようだ。

われわれ年金族も毎年のようにその支給額が目減りしている。
お国が一方的に決める事は犯罪にならないのか?
18歳の新たに選挙権を得た方々、くれぐれも騙されないように!
風のない穏やかな連休のある日に、
『路地の記憶』佐藤秀明(写真とエッセイ)阿久悠(詞)を開く。
路地、時の幻燈、夢の濾過装置。とある。
阿久悠 最後の詞20篇で綴られた路地物語。
日本中の路地裏の写真と穏やかな人々の佇まい。

・・・・・・・・・・・
「連続放送劇」阿久悠
全国のみなさん/この連続放送劇には
悪い人も/厭な人も/意地悪なひとも/一人も出ません
ようし それなら/一生やっとくれ
ラジオ様
・・・・・・・・・・・
こんな懐かしい昭和の光景が、
祈りのような詞と写真に綴られている。
少しざらついた心に沁み込んでいく。
今はもう平成28年なのだ。
改めても実感がわかない。
想えばずいぶん遠くに来たものだ・・・。
