2016年03月16日
3月16日(水)春の前振りの様な長雨が続いた。冬の寒さ!お陰で風を引いてしまった。でも二日間熱が下がらなかったのできつかったが、今はウソのように全快!した。

久しぶりに?外出してみた。
自然のサイクルは正確に回っていた。
椿、水仙、花モクレンが早くも咲きだした。
短い散歩だが風景も新鮮な感じに映った。
土の匂いがして犬のようにくんくんと鼻を鳴らす。
この雨のせいで桜の開花も早くなるとか。
鼻が利くようになったのは風邪が治った証拠。
腹がグーと鳴ったのでこの日は早めに散歩を終わらせ、
家に帰ってレトルトカレーを食べた!
近ごろの物は旨くなっている、良いことだと思う。

そういえば前回のブログに今村太平氏の『イタリア映画』を紹介した。
また読み返してみると面白い事に気付いた。
本の奥付(表3)に著者の検印が貼り地けられていた。
「書籍の著者が発行部数を確認するために
紙の小片に著者の印章を押印して、奥付に添付していた。
現在では出版社と著者が契約書で合意して
検印省略・検印廃止となっている」

発行年度は昭和28年、定価100円。
今の物価では1,500円(推定)ぐらいか?

とにかく映画の理論書、
しかもイタリア映画とあっては特殊ジャンル。
当時先端の理論書であったようだ。
特別売れるものではなかったろう。
それにしても内容はそうとに力作で良い。
その頃、西欧の映画理論と言えばソビエト映画論が全盛だった。
プドプキン、S・エイゼンシュタイン映画史に残る巨匠たち・・・。
今村氏の功績はイタリアンネオリアリズムの紹介だった。

今、手元にこの本を見ていると60年あまりの歴史の重みがある。
黄ばんでいて、戦後間もないものなので、
紙質も悪く、よく現在まで生きながらえてきた!なんという幸運なのか。
学生時代に出会って今までわたしの傍にいてくれたのだっから、
何よりも得難い財産のひとつなのだろう。
これからも大事にしなくてはとつくづくく思った・・・。

熱も引いた頃に読みかけのミステリーを開く。
『霜の降りる前に』ヘニング・マンケル著 柳沢由実子訳 東京創元社
一挙600ページ余り(上・下巻)を読了。
久しぶりのH・マンケルの刑事ヴァランダーシリーズもの。
今回はほぼ娘のリンダが主役の様な展開。
刑事と娘の相克、何時しか彼女は警察学校を卒業。
あと何日かで父のいるイースター署に赴任することが決まっていた。
そんな時彼女の友人アンナが謎めいた失踪。
かなり前に家を出て行ったパパに出あったという・・・。
母親は何か隠しているようで、その件は語らない。
謎の宗教団体による殺人事件、教会への放火。
キリスト教がらみの反宗教者、殉教という名目のテロリズム。
事件は大きな謎に包まれたまま
イースター署の見習い警官リンダも巻き込む・・・・
かなりの力作!一気読みしたのだった。(Fuu!)

この後のシリーズは娘のリンダが完全に主役予定?
前回も話したがヘニング・マンケル氏は
享年67歳で昨年無くなってしまった。
残念至極!!
さあ!もういい加減暖かい春になっておくれ。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言うじゃない!
