2015年12月17日
12月17日(木)今年は暖冬というが、ここ2〜3日東京は小春日和の陽気。ビルの谷間にアゲハ蝶が羽化!外出では手に持ったコートが邪魔で歩きづらかったほどだ。
今年は早くも師走を迎えた。
気のせいだろうか街ゆく人の歩調も少しアップテンポ。
年を重ねるほどなんだか時間が加速している気がするのだ。
そんな思いの中、先週の土曜日、
今年も学生時代のクラブ仲間との忘年会。
去年に引き続き高円寺の秋田料理を出す店だ。
学生当時は11人いたメンバーも人減り二人減り・・・。
今や7人になってしまった。
昨年の会で「これからは会えるときはあっておこうぜ」が、
暗黙の了解事項となった。
あの時代、自分も仲間もお互いの下宿や家に転がり込んで、
一晩中、飲んだり議論したり。
(いつの間にか隣の部屋の学生まで議論の輪にいた)
ほとんどは映画論や哲学っぽい話題が多かった。
もちろん金もなくアルバイト代は映画や飲み代、本に消えてしまう。
お互いに嫌になるほど毎日のようにつるんでいた。
今から考えると夢のような時代を過ごさせてもらった。
あの圧倒的な濃密な時間は今でも忘れない。
そして50年余りの年月が流れた・・・。
今年は関西からの常連が体調が悪く欠席、残念。
今度は在京の連中が見舞いかたがた先方に行こうという予定だ。
(閑話休題)
そういえば学生時代には学校より部室や喫茶店にいる時間が多かった。
「エデン」「エスぺロ」「アミ」「レモン」「マロニエ」「スワン」「王城」・・・。
コーヒー50円の時代。(学食の定食は80円から)
今でもすらすら言える店の名。(古い記憶はすぐに出てくる)
今は昔ながらの喫茶店は絶滅危惧種。
♪学生街の喫茶店♪は懐メロになってしまったのか。
先日、JR「御茶ノ水駅」そばの丸善書店で、
『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』タイトルに惹かれて買う。
川口 葉子著・実業之日本社
曰く「心やすまる空間 おいしいコーヒー 控えめな店主 粋なお客さま」
東京の77店の喫茶店ルポルタージュ。
この本を片手に早速、いつもの店に入る。
御茶ノ水駅・聖橋口に喫茶店「穂高」は健在だ。
山岳を愛する人々に人気の旧い旧い歴史を持つ店。
あいにく窓際の席には座れなかった。
(窓の下には駅のホームがありその向こうには神田川)
ブレンドコーヒーを頼む。
山小屋風の店構えと落ち着いた雰囲気。
相変わらずコーヒーがうまい。
何年たっても変わらない味、シュガーポットの中央の藍色が美しい。
メニューはコーヒーとトーストのみが良い。
いつの頃からかナポリタンをだす店が当たり前になった。
しかし、油ものの匂いとコーヒーの香りが相殺されてしまう。
純喫茶の「純」はそういう意味だと解釈している。
こんなぜいたくな店はもうこれから現れないのかもしれない・・・。
李白の五言絶句から。
・・・弧雲獨去閑(さっきまでひとつあった雲もいつしか去って静けさが増した)
閑中にさらに閑(静かさ)を表現。
コーヒーから立ち上る幽かな湯気と香りがこの詩を想起させたのか。
年の瀬の雑感でした。
今年も一年、このブログにお付き合いいただき感謝します。
来年も皆さんにとって良い年であるようにお祈りします。