2014年10月15日
10月15日(水)台風一過、昨日東京は晴れて気温も上がったが終日風が強く吹いた。今日は朝から雨模様。変わりやすい秋の天気だ。

今年はイヤなことに台風の当たり年?
もう二つも本土を直撃。
晩秋になり気候も安定して欲しいものだ。
そう云えば先週、初めて月蝕を観た。
幸いわが家の方からは雲も切れ、
皆既月食になって行く様子が楽しめた。
丁度、犬の散歩をしながらの見物。
夕暮れ時の街角は路地裏まで人声がした。
通勤帰りの人や買い物帰りの自転車の主婦。
しばし歩みを止めて、
天体の織り成す美しさに見惚れる。
完全に月が欠けても、
太陽光の反射とやらで
ほの朱く染まった月の輪郭があった。
何故か子供の頃日蝕を観るのに、
煤をつけたガラス板を
創ったことを思いだした。
月食は夜なので(当たり前だ)
静かなうちに始まり、
穏やかに終わってしまう。
烏も鳴かない(日蝕と違って)
賑やかな感じが無い。
夜なので町は静か。
月が持っている穏やかな風情。
足元では、
犬がヒマを持て余してウロウロしていた。

秋も深まり
本を読む時間が増えた。
今はミステリーをしばし止めて、
三浦しをん著の『まほろ駅前シリーズ』最新刊を読んでいる。
『まほろ駅前狂騒曲』文芸春秋社。
昔懐かしい呼び名だと
舞台は東京都下まほろ市。
神奈川県に隣接した大きな街。
(町田市がモデルだそうだ)
三浦氏の作品では『舟を編む』、『神去なあなあシリーズ』
いわゆる「お仕事ガンバっている」モノを読んでいる。
読者、フアンが多いので
図書館間での貸し出しが
何時も順番待ち。
ひと月以上待ったことがあったので、
文庫化を待たずに購入。

「便利屋」というある意味
時代からはみ出たような(時代を反映した)
微妙な職業を真面目にこなしている青年たちのドラマだ。
引き受けた仕事は必ずやる。
犬の散歩から、がらくた整理は当たり前。
譲り受けたくない遺品の処理・・・。
今回は、主人公の友人で
居候・パートナーの遺伝子上の娘の世話。
同時に、怪しげな無農薬野菜を栽培する団体の監視・・・。
こころ優しい主人公と、
変人だが的確な判断をする友人。
便利屋、ある意味瀬戸際の世間が透けて見える職業。
そこには、今の時代がリアルに息づいている。
タテマエと本音で終わらないのが世間。
はみ出して、
清算のつかないところの悲喜こもごも。
もう半分近く読んでしまった。
(もうすぐ映画が上映される予定)
庭の虫は鳴かなくなったが
秋の夜長である・・・。
