東放学園

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2014年03月19日

3月19日(水) 昨日、東京は暑いぐらいの陽気、折からの強い南風が春の訪れを告げました。近くの小学校では早咲きの桜が咲き始め、町内会では花見の準備の提灯が風に揺れています。

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今月のブログは
映画に絡んだことを書いている。
なので久しぶりに
映画館に行った。
しかも何十年振りに
新宿・武蔵野館。
新宿東口徒歩一分なのに、
足が遠ざかっていた。
東口の風景もだいぶ変わっていた。
新しい建物が林立、
知っているのはビアホール【ライオン】だけ。
映画館は細かく分かれ、
シネコンになっていた。
80人定員の
小さな試写室の様な佇まいで、
『ネブラスカ』を観た。

3-19-1

アメリカ映画、
白黒の懐かしい映像だ。
荒涼としたアメリカ中西部の街。
西部劇のステーションが
そのまま残った感じの町並み。
主人公の老人はブルース・ダーン、
アレクサンダー・ベイン監督
アカデミー賞にノミネートされた作品。
ある個所からある場所に旅するドラマ、
ロードムービー。
片田舎の老人に
「あなたに100万ドルが当たりました」
と怪しげな手紙が届く。
老いて頑固な老人は
それに夢と生きる望みを賭けて
モンタナ州から隣のネブラスカ州・リンカーンまで
歩いていこうとする。
ハイウエイの一人歩きを
パトカーの警官が止める。
それでも行こうとする父親に
息子が車を出す。
途中、
親類や老人の仲間たちにからかわれたり、
昔、世話したのだから
賞金をよこせと脅す奴も出てくる。
貧しげな田舎町の風景や、老人や失業者が
家でゴロゴロしている。
あのハリウッド映画とは全く違う
アメリカの横顔だ。
話は結局100万ドルはやはり嘘の話で
老人は落胆してしまうが、
息子が思わぬ行動に出る…。
何かとってつけたような結末なのだが。

久しぶりのモノクロ映画。
と言うより
グレーが基調のトーンで語られる、
白黒の輪郭をくっきりさせない手法なのか。
老人の心象風景を描くには
ふさわしいかもしれない。
人間、最後は色のついていない世界に戻る?
けれど死ぬまで色即是空の境地に至らない。
年齢なりの欲望や夢を
頼りに生きていく。
私も子供のころに観た
日本映画を思い出していた。
懐かしさもあってこの映画を観たが、
年老いた頑固爺の生きるよすがにかける執念。
人という存在の面白さ、危うさが
透けて見えたような気がした。

3-19-4

ロードムービーで良かった作品は、
『スケアクロウ』
アルパチィーノとジーン・ハックマンの作品。
ジム・ジャーミッシュの
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』
が心に残っている。
個人の趣味から言うと
“何げない風景”が主役の方が良い。
バックの風景、道端の花や廃屋、雲の流れが
人間のドラマ以上に
存在感を出している方が好きだ。
役者たちが
暑く演技すればするほど間に挟む。
何気ないショットが
効果的に効いてくる。
映画は生の舞台ではなく、
映像というメディアで加工しているのだから。
その特性を生かす画面構成が大事と思う…。

映画館を出ると
春の雨と風が吹いていた。
人々は傘を倒しながら
駅に急ぎ足で歩いていた。

春の香りがしてきた…。

3-19-3



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