2014年02月19日
2月19日(水) 東京でも2週続いての大雪、こんなことは今まであまりなかったような気がします。そ れにしても、今年の冬は永く寒い意。表に出ると残った雪で風が冷たい。

この頃、毎日TVで
ソチ・オリンピックを観る機会が多い。
少々寝不足気味である…。
そしてまたBS放送で
見ることも多い。
地上波に比べて予算も少ないせいか
工夫を重ねた番組が多い。
しかしCMは損保、健康補助食品、健康器具が
圧倒的に多い。
高齢者社会と云われて久しい。
年金の受給年齢も
いつの間にか上がっている。
先頃、団塊の世代が一斉に65歳を超えた。
私の世代の3〜4倍の人口だ。
何せ大きな塊としてのパワーは凄い。
何時だって
熾烈な競争社会を生き抜いてきた。
進学、就職、結婚…。
割とのんびりと育った
われわれ世代とは数と勢いが違う。
常に自分の存在を明らかにしないと
生きにくいようだった。
最近リタイアした彼らは
数の多いのは自明であるのだが、
一方では消費社会の
大きなマーケットのターゲットでもある。
これからの“長寿日本”を支える
ニューオールドエイジの誕生。
競争社会を生き抜いた彼らのテーマは、
「健康で長生き」と云われているようだ。
ご夫婦がそろって
サプリメントを愛飲している映像。
「もうこれは手放せませんね!」と。
画面の隅にはチラッと
「これは個人の感想です」と
お約束のコメントだが、
初回お試しは無料!と煽る。
長年生きていれば
何処かしらガタが来るのは当たりなのだが、
もっと、もっと、
人より良い状態で、
健康でいたい。
人間の欲は果てしない。
限りある人の命。
アンチエイジング志向が
強まっているようだ。
これだけ老年層が多くなった割には、
“成熟”とか“老成”“円熟”などの
言葉が霞んでいるようだ。
「これからが本当の青春!のあなたに!!」
同年代としては“負けていられない”のか、
またまた“健康競争”のサプリメントの競売。
地上波でも
「あなたは知らないうちにこんな病気になっているかも」的な
番組やドクタードラマが
知らないうちに増えている。
フィジカルエリートを目指す人々が
多くなってきた。

その一方、
「年の取り方が分からない」と云う声が聞こえる。
心と身体の折り合いをつけていくことの難しさ。
“成熟”の手本となる層が薄い現代日本。
好々爺、御隠居さんは
死語に近いのか。
いつまで“若さ”に拘ることが命題!?
出来ればもっとゆったりと
自然体で生きることが出来ないのか。
社会全体の流れが
“終わりなき青春幻想?”を夢見ている。
『「若作りうつ」社会』熊代亨著(講談社新書)は、
同じような内容を精神医学・社会心理学的に分析。
「生き方」から「死に方」のライフスタイルが
明瞭でなくなった社会。
『楢山節考』
(深沢七郎著の同名の映画化 監督:木下恵介)では、
姥捨て伝説からヒントを得た異色の短編小説。
年老いた母が自ら家族を生かすため、
山奥に捨ててほしいと息子に頼む。
…昔の伝説によれば、
老人はある年齢になると
自ら山の奥に消えていったそうだ…。
当時文学界にも大きな波紋を呼んだ作品だった。
「老兵は死なず、ただ消えゆくのみ」
D・マッカサ―の演説で有名な言葉。
「Old soldiders never die, that just fade away」
自分が老いて亡くなっても、
存在しなくても、
その思い出や面影は残って欲しい…
(勝手に意訳)
かく言う私も
自分の行く道はおぼろげだ。
またまた答えのない問いに
ぶつかってしまったようだ。
