2014年01月29日
1月29日(水) もうすぐ立春ですね。陽も長くなって今週はなんだか早春の暖かさです。でも油断していたら思いっきり鼻風邪をひいてしまいました。皆さん、インフルにもご注意を!

先日の土日、
TOHO会で奈良に行った。
「TOHO会サウンドウォーク研修会in奈良」。
歩きながら自然の音を聴くと云うもの。
古都奈良を歩くだけでもいいのだが、
「日本サウンドスケープ協会」の
講師を招いたイベントだ。
年のざわめき、ノイズ、生活音など、
すべての音に
改めて耳を傾ける催しだ。

猿沢の池から二月堂まで
かなりの道のりを、
音を聴き、レポートを書きながら
歩く、歩く。


何百頭のシカに、
せんべいをねだられる。
なんだか
人がいっぱいいるなぁと思ったら、
本日、若草山の山焼き。
夕方は雨模様なのにこの混雑。
聞こえてくるのは
人の雑踏音。
日本語はもちろん、
中国語、
英語、
さまざまな言語が絡み合っていた。
そんな独特の風景音も
良いものだ。

しかし、
さすがちょっと裏道に入ると
そこはもう大和路。
鳥のさえずりや
小川のせせらぎが聞こえる。
興福寺、
東大寺二月堂、
三月堂、
春日大社…。
さすが、
大仏殿の天井は高く広いので、
人々の声の残響が
深い味を醸し出している。
どこかのグループの案内人の
キーの高い声が大きく跳ねていた。
帰り道、
やはり雨が降って来た。


駅近くの居酒屋で
合評会が行われ、
各人がこの歴史ある都の固有音を
的確に聴取。
個人個人の聞く耳が違うのだ。
当たり前のことだが、
映像認識は五感の70%を超えると云うが、
暗闇や静かな時では、
音響が際立ってくる。
『ふる池や蛙飛び込む水の音
/静かさや岩にしみいる蝉の声』…。
映像から“音を視る”ことの大切さを
再認識されたイベントだった。

先週の金曜日
(一社)スタジオ音楽協会の賀詞交歓会が、
信濃町の明治記念館で開かれた。
100人余りの参加者があり
盛大なパーティ。
中締めの挨拶を頼まれた。
会の初めの会長の挨拶が、
この頃のハイエンドアナログへの回帰
についてがあったので、
ネイティブアナログ人としては
嬉しい限りと云うことと。
この業界に
お世話になっている卒業生の
(会場にもたくさん見えていた)
御礼を兼ねて、
三本締めをさせて頂いた。
音楽業界はこのところ
CDなど売り上げが減少。
それに伴って
スタジオ業界も苦戦している。
日本では
音響ミキサーの価値が
まだまだ広く認められていない。
メディア業界(放送業界も)では
特殊な技能をもつスペシャリストが
リスペクトされていないのだ。
何時も大いに疑問が残るところだ。
あいさつの最後に
この業界を目指す若者に夢と希望を!
少し熱くなりながら
訴えてみたのだった。