2013年09月11日
9月11日(水) ようやく朝夕が涼しくなってきました。今年の異常気候は何だったのでしょうね。過酷な夏でしたが、体調はボチボチちです。OBの皆様はいかがですか?
ようやく秋めいてきた。
河原のコスモスや
寺先のススキが
穂を下げ始めた。
川面を渡る風が少し涼しくなり、
今年の暑さが薄められ、
散歩の足取りも軽くなった。
街の風景も、
少しくっきりと映り、
空の高さも高くなり、
雲も形を変えた。
あの永井荷風の
散歩随筆『日和下駄』。
昨日また拾読みをした。
彼は雨傘をステッキ代わりに下駄履きで
旧東京市を歩きまわり、
街の近代化にブツブツと文句を言いながら、
昔の街を懐かしむ。
その姿や文言が面白い。
江戸から東京市。
当時も巨大化する街へのノスタルジア。
風変わりなモノ。
残しておきたいもの。
大げさだが西欧化することに
ためらいがないこの国の人々は
当時も多数派だ。
コンクリートで護岸された
今の河川敷きを観たら、歩いたら、
どんなことになるのか。
あまり劇的に風景が変わらない河川の佇まい。
水辺の散策を好んだ荷風。
『墨東綺譚』『すみだ川』…。
川にゆかりの名作が多い。
晩年は江戸川を歩き、
すぐそばの市川市へ。
毎日同じ蕎麦屋で
繰り返しかつ丼を食し、
それから浅草へ通っていたと云う。
近頃の河川敷と云えば
休日は
バイクに乗った人たちが、
整備されたサイクリングロードを
結構なスピードで駆け抜けていく。
こちらはママチャリで
のんびりと風に吹かれているのだが、
これからは映りゆく河川の秋景色を
ゆっくり楽しもうと思う。
2020年のオリンピックも決まって、
また東京都も
大きく景色が変わるのだろうか。