2013年06月12日
6月12日(水) 今年も、もう6月を過ぎてしまった。早いものですね。年を重ねるほどに時が立つの速くなったような気がする。小糠雨に濡れてバスを待ちながらそんなことを感じた。
先週は所属している団体の
総会や懇親会が毎日のように開催され、
かなり忙しく、疲れてしまった。
その代わり、
TOHO・OBの皆さんに会えて、
行った甲斐があった。
日本ポストプロダクション協会では、
ポストプロダクション技術に贈られる賞で、
映像技術グランプリを
OBの丹野豊一さんが受賞!
この機会に駆けつけてくださった北島先生。
丹野さんは学生時代、
先生主宰の「ラーメン研究会」のメンバーだった。
何でもアリだった良き時代が
思い出された。
また、
学生部門では、
東放学園映画専門学校の田村香織さんが
ドキュメンタリー部門で奨励賞に輝いた!
それにしてもエンターテインメントの業界、
もちろん業界外でも、
社会の中心に居て活躍中のOB諸君の
なんと多いことか。
地中の竹の根のように
これからも勁く広がって欲しいと思う。
(閑話休題)
先月の末、
東放学園映画専門学校で講義を行った。
講義時間の関係で
昨年と同じ映画を観て頂いた。
A・タルフスキ―の
『ノスタルジア』。
学生が普段、ほとんど観ないであろう作品だ。
私も一年振りに観たが、
この作品の圧倒的な静寂さが
観るものの
色々な時間の流れの中の出来ごとの
垢や傷を
優しく癒してくれる気がする。
「自己犠牲による魂の救済はあるのか?」
そんな深刻なテーマが、
カット数の少なさや
極々ゆっくりとしたカメラのパンや移動で、
観ているものの心の襞の奥まで
水のようにゆっくりと浸み込んでくる。
監督の創りだした
映画的時間の魔術に
知らす知らずに酔わされる。
画面の色調・構図は、
ラファエロの絵画を観ているように
なんとも豊かで優しく美しすぎるのだ。
そして、ある場面に来ると、
御約束のように睡魔に襲われる。
(彼のどの作品でもそうなる!)
彼の作品を好きな知人のすべてが、
同じ経験をしているのだ(zzzzz…)。
スリリングに眠い…。
ホンの十何秒かのことだろうか。
しかし、快い。
そして緊張した夢のなかの夢をさ迷う。
気付くとまだ同じシーンなのだ。
ジェットコースターのような
エンターテインメント映画を見慣れている向きには
しんどいかも知れない。
A・タルコフスキーが存命中に、
日本でも
日本タルコフスキー協会が
密かに存在した。
私も会員だった。
機関誌が発行されていて、
とてもコアな、謎めいた集まりだった。
“映画は目覚めて見る夢”
まどろみの中に
もう一つの人生を夢見る。
そんな気がする…。
映画製作を目指す学生諸君!
映像表現は
とても深いのだ!!