2011年09月07日
9月7日(水) 今年は何でこうも自然災害が多いのだろうか? 大津波、台風… 大自然と折り合いのつかない年なのですかね…。

長くて暑かったかった夏も
台風一過。
今日は湿度も低くて
涼しい朝だった。

東京の夏は
とにかく高温多湿。
クーッと
冷房の聞いた部屋で
涼みたいが、
節電・節電で
クーラーも遠慮がちだった。
ヌルーイ空気に
ただただ
耐えているのがいやで
図書館に行くが、
いつも満員御礼。
思い立って
また映画を見に行った。

「ツリー・オブ・ライフ」
ハリウッドの俳優たちが
リスペクトしてやまないといわれる監督、
テレンス・マリック作品。
物語は1950年代の家族の話。
三人の男兄弟が育っていく
アメリカの家庭ドラマ。
厳格な父親と優しい母。
細かな日常の描写の積み上げ。
次男は19歳のときに
戦争で亡くなる。
昨今のハリウッド映画では扱わない
地味なドラマである。
ただし、
現在のシーンでは
その長男が(成功した中年=ショーン・ペイン)、
都会の摩天楼に囲まれた中で
自分の人生を振り返る。
何が自分の半生に在ったのか。
命とは何か(弟の死を含めて…)。

「2001年宇宙の旅」のような
イメージシーンがごく自然に、
洪水のように
カットバックしてくる。
人間の営みの
あまりにもの小ささとを。
対照的なモンタージュだ。
映像は
宇宙の創生から地球の誕生と
壮大なシンホニーをかなでる
叙事詩のように、
見るものを圧倒する。
巧みな織物を
見ているようだ。
命は果てしなく創られ、
いつの間にか
次々と引き継がれる。
果てしない輪廻の流れを見る。
人は
答えのない問いを
発するときがある。
自分とはなにか?
人生とは?
生命とは?

この作品を見てしばらくして、
F・フェリーニの
「8 1/2」を
思い出していた。
自分の人生を振り返る
主人公の映画監督が、
ラストで
浜辺を彷徨うシーンが
浮かんできた。
またI・ベルイマン監督の
「野いちご」の夢のシーンも
なぜか思い出してしまった。
西欧的な「神」が
対立的にいる精神風土、
自然と融和して生きてきた
「仏教」の違いが
この映画を見終わって
感じられたような気がする。