2008年06月20日
6月20日(金) 夕暮れ時・黄昏時・逢魔が刻(おうまがどき)

神楽坂・飯田橋あたり。
梅雨の晴れ間、
夏至なのでまだこんなに明るい。
もう少しで陽が沈む。
瞳のアイリスの調整が微妙だ。
飯田橋・神楽坂、
外堀通りあたりのcafeのテラスで
その微妙な時をボーッとして楽しむ。
人々の顔も街景色も
オレンジ系のフィルター処理をしたかのように
刻々と彩度が淡くなっていく。
物の形の輪郭が危うくなっていく。
こんな時に人々の心は移ろう。
「逢魔が刻」とは名づけて妙である。
昔、子供のころに読んだ
「怖い話」を思い出してしまった。
こんな時刻に、
長い坂道を登ろうとした「私」が、
坂の途中で頭の異様に大きな人物に出会う。
その人は入日を背にしているので、
顔がはっきりと見えない。
ユラユラと大きな頭が揺れているように思えた。
すれ違うまで長い時がたったように思えた。
しばらく経って坂の途中で振り返った時、
誰の姿も見えなかった。
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なぜか今でも思い出す話である。
