2020年03月
2020年03月11日
3月11日(水)どうなっているんだろう!?今年の3月は、春は。世界中で大流行の新型ウィルスが猛威を振るっている。
先日、20年ぶりにぎっくり腰をやって一週間ほどダウン。
今日は3・11から早くも?9年たってしまった・・・。
2月の末、近くのシネコンで『パラサイト 半地下の家族』を観る。
話題作でも初回上映は観客はまばらで皆マスクをしていた。
カンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞したサスペンス・ホラー映画。
途中まではありきたりのストーリーで、こんなもんかいなと思っていたが、
(半地下に住む家族が計画的に富豪の家に入り込み巧みに寄生していく・・・)
後半はホントの意味での「半地下」が分かってくるから怖い。
ネタばれになるので言わないが、
半地下という中途半端な高さが(経済的にも)テーマかも・・・。
公的な博物館や美術館がコロナの影響で休館するそうだとのことで、
10年ぶりに開かれていた「ハンマスホイとデンマーク絵画」展に行く。
上野の都の美術館は久しぶりだがなぜかガランとしていた
北欧の薄明かりの室内に後ろ姿の女性がいる。
それだけの静寂に満ちた絵だ。
20世紀初頭、彼の絵はあまりにも陰鬱だと評価されずにいた。
やがてその表現は画面から人物さえも消え去り、
ただのドアが開かれた室内画となっていく。
ただでさえモノトーンに近い色合い。
北欧の水墨画なのか、物音さえ無い。そしてまた時間は止まっている。
窓からさす光に床の模様さえ不気味だ。
こんな寂寥感・孤独感は何の表現だろうか。
同時代の北欧の光にあこがれている作家とは大違いだ・・・。
帰り道に公園の早咲きの桜が鮮やかだった。
先日、『あなたの人生の物語』(映画:『メッセージ』)の作者テッド・チャンの17年ぶりの『息吹き』が出た。
中・短編集だが、科学・哲学・思想などの分野からの
様々な寓意にあふれた作品集。
どれも非日常的な物語を寓意に満ちた感慨深いものにしている。
例えば、
パラレルワールドの生命体の呼吸にまつわる死生観のイメージが心に残る。
久しぶりに一冊の本をじっくり読んだ気がする。
こんなご時世だから、落ち着いて読書や散歩にふけるのも良かろうと思うのだが・・・。