2017年03月
2017年03月29日
3月29日(水)今週月曜日、上野の都美術館に書展を観に行った。桜はまだだがそれなりに人が出ていた。とにかく雨上がりで寒い一日だった。
月曜日は朝から雨だったが夕方には上がった。
このところ毎年のように書のメンバーと一緒に鑑賞。
「謙慎会」 今年も全国から8000点余りの応募。
明治・大正屈指の書家西川春洞の(堂号謙慎)所縁の歴史ある書展。
数の多さに圧倒される、先生や知り合いの作品を探すだけで、
けっこう疲れてしまうけれど、観賞会のあと食事を兼ねて飲むのが楽しみ。
上野のお山を下ると早咲きのしだれ桜がひときわ艶やかで、
お約束のように騒がしく自撮り棒で撮影している某国の人たち。
何か妙な気分になってくる、桜・日本・・・右寄りのヒトではないが、
ここは日本の上野か!
でも少し早い花見気分もあって食事会は和気あいあいいだった。
思うに本家の中国は簡略字体、韓国はハングル。
ちゃんとした漢字文化が残っているのは台湾と日本とは淋しい。
硯で墨を摺る、墨の香りがする、一瞬これからの書道空間が。
ゆっくりと立ち上がる気がする、不思議な時間だ。
心が改まるし、日常から非日常へ時空間が広がる。
初筆から息を詰め一字を書きあげる。
その瞬間がたまらなく良い。
「書は人なり」と言われている。
その人物そのものが出ていると言われている。
文字そのものにも興味が深く在る。
文字の成り立ちや歴史を学ぶだけでも凄く深い。
この頃は「文字学」関係の書物を読むことが多い。
何にしてもその道の先達が立派な仕事をしているのに驚く。
実習はここ3年余り篆書(てんしょ)を習っている。
印鑑の文字によくつかわれている書体。
やはりこちらも奥が深い・・・。
これからも長いおつきあいになりそうだ。(グループのお仲間とも)
先週も飲み会があった。(四人の会)
私と10歳下ぐらいの昔から付き合いのあるグループ会。
輪番制で幹事がお店を決める。
今回は秋田出身のHさんが秋田県の由利本荘市のアンテナショップ、
居酒屋を探してくれた。
秋田料理と言えばきりたんぽ・ハタハタ・いぶりがっこ・しょっつる鍋など。
酒は詳しくはないが天寿・鳥海山などが知られている。
居酒屋がアンテナショップとは珍しい、店はあっという間に満席。
どの料理も物珍しくおいしかった。
店の構えは古民家をそのまま移設したような田舎家。
この夜は少し寒く熱燗とハタハタが最高の取り合わせだった。
神田錦町はかつて大学の語学教室があったところだ。
(過剰定員で教室が足りなかった)
このあたりの町の雰囲気はそんなに変わっていなかった。
何せ50年以上も昔なのに。
このメンバーは気がつけば30年位のお付き合いだ。
それぞれに仕事や遊びを一緒にした仲だ。
ふた月に一度ぐらいの割合で開かれている。
現役を上がった私を呼んでくれる、嬉しい限りである。
メンバーの一人Nさんは台湾土産で故宮博物院の
「白菜」の携帯ストラップを皆にプレゼント。(夜は光る)
お気遣いありがとうございます!
これからも元気である限り出席させてください。
2017年03月22日
3月22日(水)昨日東京は桜開花宣言が出ました。今月末はちょうど見どころか?今日は朝から快晴だが、風は北風寒い一日になりそうだ。
先週、映画に行った。
ひさしぶりのミュージカル映画、『ラ・ラ・ランド』を観る。
冒頭は画面が横広がりのサイズである1950年代はやった
あの横長の画面シネマスコープと紹介される。
『オクラホマ』『回転木馬』などハリウッド全盛時代を思い出させる。
私の青春のミュージカル映画と言えば、
高校時代に何回も見たあのミュージカル映画の傑作『ウエストサイド物語』。
若さと新しい振付の群舞は今でも忘れない。
G・チャキリス、リチャード・ベイマー・・・。
ウエストサイドに住むアメリカの若者のエネルギーを感じた。
今でも舞台より映画の方が好きだ。
お話はLA(ロサンゼルス)名物の交通渋滞から始まる。
止まっている車からは様々な音楽が聞こえている。
やがてそこでは車を降りた若者たちの群舞が。
実に滑らかなカメラワーク、それぞれが渋滞を吹っ飛ばすように踊る!
全員が個性的にシンクロしてのダンス・ダンス。
(実際高速道路を一時閉鎖してロケしたようだ)
どう撮ったのかなあ〜、鮮やかで分からなかった。
ドローンなのかクレーンの併用なのか・・・。
超現実から現実へ。(ミュージカル映画のジャンプ)
LAは夢追い人の街。
主人公の彼・セブは今は古典となったフリージャズ時代に憧れるピアニスト。
自分の店を持ち好きな時好きな曲を演奏する・・・。
いつも俳優を目指すがオーディションに落ち続ける彼女・ミア。
夕暮れ、LAが見下ろせる公園でのデュエット。
ワンシーンワンカットの様な長まわし、舞台と違った良さがある。
監督はデミアン・チャぜル、前作『セッション』で息詰まる映像を見せた。
今回は過去の様々なミュージカル映画のオマージュが盛りだくさん。
F・フェリーニ、A・ヒッチコック、J・ドミー、M・スコセッシ監督らだ。
歌とダンスで現実からジャンプそしてまた夢を追う。
二人はそれぞれ目指す夢をかなえるのだが。
恋は実らなかった!?が
ここで監督はもう一つの夢の夢を見せてくれる。
「もしもあの時二人が分かれなかったら」のバージョンを用意する、
「れば」「たら」のハッピー版だ。
ミュージカル映画ならではのパラレルワールド全開なのだ!
エンドロールが始まっても誰も席を立たない。
明るくなると場内の客はほとんどが高齢者。(しかも多入り)
MGMミュージカル映画の全盛期を観た人たちかも。
少し不満を言えばもっと歌のシーンが欲しかった。
が2時間余り楽しい時を過ごすことが出来た。
家に帰って何故かライザ・ミネリ主演の『キャバレー』のDVDを探した。
今夕は「何時もの四人会」で秋田料理を囲む予定だ。
きりたんぽ鍋が食べられるといいな・・・。
2017年03月08日
3月8日(水)このところようやく雨が降って、気持ちも潤った。菜種梅雨(催花雨)ほど長くは降らないが暖雨なのか。
「あたたかな雨が降るなり枯葎(かれむぐら)」 子規
今日東京は朝から快晴。
空気はまだまだ冷たいが陽ざしは春の様だ。
昨日の雨のせいか空は青く澄んでいる。
近所で一番早く咲く小学校の桜が雨に煙っていた。
今月末には毎年のようにウキウキして開花宣言を待つ。
わたしは賑やかな花見より、人知れずひっそり咲いている様が良いのだ。
その下でもちろん賑やかにやっている風情も好いが、
桜の一木が昼下がりにポツンと咲いている。
そこに花散らしの雨が細かく降っていればいうことが無い。
今年もそんなイメージを持っているのだが・・・・。
先週末、久しぶりに犬を連れて川辺の河川敷を散歩。
何時も渡る橋が架け替え工事中。
何十年ぶりなのか、新しい橋げたが出来ていた。
前の橋は欄干も低く少し危なっかしいが昭和の風情があった。
今度はどんなアーチだろうか楽しみだ。
今は橋の架け替えは昔ほど難工事ではなさそうだ。
建築技術が格段に進歩しているようだ。
東京は何時の時代もクラッシュ&ビルドをくり返す街。
そのテンポは目覚ましく速い。
あっと言う間に新しいビルが建つ、テンポが早い。
この間警察ミステリーを読んだ。
『浅草機動捜査隊・鎮魂』鳴海章著 実業之日本社文庫
浅草地元付近で起きた事件の初動捜査犯の話だ。
地元の町名がたくさん出てくる、懐かしさもあってシリーズで読んでいる。
先日、浅草のおでん屋に行ったが周辺は様変わりしていた。
あのラインダンスでおなじみだった国際劇場はビューホテルになり、
つくばエキスプレスの駅が地下に出来ていた。
50年前に地名・町名変更でズ分と呼び名が変わった。
いわく元浅草、西浅草など大雑把に変更されたようだ。
地名は歴史・文化の記憶なのに。
黒門、聖天、七軒町(私の卒業した高校の所在地)象潟、三筋
田島、猿若、松葉町(同じく小学校)下谷町・・・。
今思い出してもなかなか風情がある呼び名だった。
時代劇で「黒門長の親分!・・・」とか雰囲気あるよね。
出来れば昔の呼び名に戻してもらいたいものだけどね・・・。
そうえば村上春樹の新しい小説を昨日買った。
『騎士団長殺し』7年ぶりの長編小説。
大ベストセラーになっているようだ。
デビュー作『風の歌を聴け』は1979年だった。
何時でも彼の新作は本屋でも即完売。
今やとっくに世界のMURAKAMIになっている。
ノーベル文学賞が取れないのが不思議である。
久しぶりに村上ワンダーランドで楽しんでみようか。
OBの皆さんの中にも村上ファンが多いのでは…。
今日東京は朝から快晴。
空気はまだまだ冷たいが陽ざしは春の様だ。
昨日の雨のせいか空は青く澄んでいる。
近所で一番早く咲く小学校の桜が雨に煙っていた。
今月末には毎年のようにウキウキして開花宣言を待つ。
わたしは賑やかな花見より、人知れずひっそり咲いている様が良いのだ。
その下でもちろん賑やかにやっている風情も好いが、
桜の一木が昼下がりにポツンと咲いている。
そこに花散らしの雨が細かく降っていればいうことが無い。
今年もそんなイメージを持っているのだが・・・・。
先週末、久しぶりに犬を連れて川辺の河川敷を散歩。
何時も渡る橋が架け替え工事中。
何十年ぶりなのか、新しい橋げたが出来ていた。
前の橋は欄干も低く少し危なっかしいが昭和の風情があった。
今度はどんなアーチだろうか楽しみだ。
今は橋の架け替えは昔ほど難工事ではなさそうだ。
建築技術が格段に進歩しているようだ。
東京は何時の時代もクラッシュ&ビルドをくり返す街。
そのテンポは目覚ましく速い。
あっと言う間に新しいビルが建つ、テンポが早い。
この間警察ミステリーを読んだ。
『浅草機動捜査隊・鎮魂』鳴海章著 実業之日本社文庫
浅草地元付近で起きた事件の初動捜査犯の話だ。
地元の町名がたくさん出てくる、懐かしさもあってシリーズで読んでいる。
先日、浅草のおでん屋に行ったが周辺は様変わりしていた。
あのラインダンスでおなじみだった国際劇場はビューホテルになり、
つくばエキスプレスの駅が地下に出来ていた。
50年前に地名・町名変更でズ分と呼び名が変わった。
いわく元浅草、西浅草など大雑把に変更されたようだ。
地名は歴史・文化の記憶なのに。
黒門、聖天、七軒町(私の卒業した高校の所在地)象潟、三筋
田島、猿若、松葉町(同じく小学校)下谷町・・・。
今思い出してもなかなか風情がある呼び名だった。
時代劇で「黒門長の親分!・・・」とか雰囲気あるよね。
出来れば昔の呼び名に戻してもらいたいものだけどね・・・。
そうえば村上春樹の新しい小説を昨日買った。
『騎士団長殺し』7年ぶりの長編小説。
大ベストセラーになっているようだ。
デビュー作『風の歌を聴け』は1979年だった。
何時でも彼の新作は本屋でも即完売。
今やとっくに世界のMURAKAMIになっている。
ノーベル文学賞が取れないのが不思議である。
久しぶりに村上ワンダーランドで楽しんでみようか。
OBの皆さんの中にも村上ファンが多いのでは…。
2017年03月01日
3月1日(水)もう3月です。あっと言う間です。年年歳歳時の速さに驚くばかり。ひな祭りも近く、春はもうそこまで来ているようだが、まだ寒い!
この頃、日本は何かおかしい。怪しい。
例えば、幼稚園で教育勅語を教えたりしている。
戦後70年余りたってすっかりあの戦争につながるものが、
亡霊の様にたちあがってきている。
共謀罪にもその匂いがぷんぷんと漂う。
治安維持法の復活を心配する。
戦後苦難の末に手に入れた民主主義なのに。
アメリカでも同じようなことが起きているようだ。
政治は民意の代弁と言われるが、
何かが大きく変わりつつある。
日本も戦前のように右傾化の坂道を落ちなければいいのだが。
何かもやもやと黒い霧の気配が・・・。
話は打って変わって楽しい話へ。
ここしばらく寄席で落語を聴く機会が少なくなった。
立川談志や古今亭志ん朝が亡くなって、
少し熱が冷めたのかもしれないが、
2〜3年前は地元のホール寄せで柳家小三治を聞いたのが最後。
人間国宝とやらだが噺はやはり半分以上「枕」。(本題の話の前に振る話)
客もよく心得ていてそれが面白さのひとつ。
ある時は一時間の噺を45分枕に使かったそうだ。
若かりし頃彼はナナハンのバイクで楽屋入りをしていた。
ダンディな噺家とは彼のことだった。
今じゃ前売り券もあっという間に完売!
今、落語はまたまたブームだそうだ。
コミックやアニメになりイケメンの若手の追っかけがいる。
何せ落語は一人芝居、 一人劇場。
江戸落語は扇子と手ぬぐいだけを持ち、
複数の人物を描き分けるのだから大変な演技力だ。
小学生時代の楽しみはラジオで落語を聴くこと。
先代の志ん生、金馬、痴楽、柳喬・・・。
毎日のようにどこかでやっていた。
皆さん生粋の江戸っ子のように思えた。
特に金馬さんの滑舌(かつぜつ)の良さは気持ちが良かった。
江戸の下町のおかみさんがそこにいるように話す。
学生時代に観た日活映画『幕末太陽傳』川島雄三監督1957年では、
落語の『居残り佐平治』『お見立て』『三枚起請』『品川心中』がエピソードに盛られ、
フランキー・堺が絶妙な演技で今でもよく思い出す。
私の父親は「江戸っ子の生まれそこない金を貯め」といいつつ、
よく遊んで自分の人生を楽しんでいた。
江戸っ子は三代続かないと本当はいけないのだが、
かれはまだ二代目であった・・・。
噺の起承転結、特に結はオチと言ったりサゲと言ったりする。
枕は起の前のエピローグだ。
客も演者もリラックスして噺に入る時間。
私もかって授業ではマクラが長い方だったかもしれない。
たんに本論に入る前の話にならないように、
本論のキーワードを忍び込ませておく。
例えば映像の理論はいろいろ難しいれど、
授業の冒頭で最近見た夢の話をする。
そして前列の学生に「どんな夢を観ましたか?」と聞く。
それから無意識の話→創られた夢へと。
導入部が長いとそれで終わってしまう事がある。
マクラが長かった例だ。
今は懐かしい話。お退屈様。
お後がよろしいようで・・・・。