東放学園

TOHO会

TOHOKAI
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今日も絶好調

2016年03月

2016年03月30日

3月30日(水)今日は朝から気温が高い。いよいよ春ですね!一昨日は雹が降ったりですが。花見や入学式、と4月は何かと慌ただしい時期。今週末は桜満開の様だ。

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突然だが、待ち焦がれた展覧会が来た!
17年も待ってしまった!
(前回は1998年 東京都庭園美術館)

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ジョルジョ・モランディ(1890〜1964 イタリア)展・「終りなき変奏」。
20世紀美術史でも注目されている画家である。(ピカソと正反対の地味さ)
何の変哲もない瓶や壺などの静物画を中心に、ただただ自己の画風を追求。
静寂と平穏な画面を淡々と、まるで中世の修道僧の様な生き方を貫いた。
イタリアの片田舎ボローニャの
薄暗いアトリエに閉じこもり特定の流派には属さず
孤立無援・孤高性を保ち続けた。

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同じ対象(瓶や壺)の作品も。
それらを少しずつ動かして描いている連作がある。
この展覧会のテーマ「終りなき変奏」である。
同じ対象を少しずらすことによって
「物たち」はそれごとに異なった表情を見せる。
微妙な光の調子、色彩、陰翳、タッチが変化していく。

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5年前の震災の影響で予定されていたこの展覧会が中止になってしまった。
仕方がないか、という気持ちと残念という感情が複雑に入り混じった。
その間、画集を買ったりして「もう当分開催は無い?!」と諦めていたのだが、
実物の絵画に出会えた喜びは大きい!

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ドキドキ、ワクワクもので
東京駅の東京ステーションギャラリーに出向いた。
駅中にしてはとても立派な美術館。

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展示は機?とセクション別にして分かりやすい。
初期はセザンヌやG・キリコの影響を受けたと云う。

グレーと乳白色・肌色の様な背景に同系色に近い静物。
良く見ると輪郭線が背景に溶け込むように震えているように見える。
細部の書き込みが凄く細かく繊細だ。
物の存在の危うさを問うているかのようだ。

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一方、水彩画では江戸時代の禅僧・画家、仙崖にも通底するような枯淡なタッチ。
単純なフォルムで形を超えた何かを表現する禅画。
物の表面に現れている形は虚であって、真ではない。
その仮象のうちに在る気配を見抜き
描いていくことに意味があると言われている。

物の存在が危うく壊れそうなくらいの瞬間ーーー。

宗教の相違なのか。
東洋は生々流転と言い(物事の移ろいのさま)
西洋は存在の意義。(神が創った堅固なもの)

G・モランディはもしかしたら、
果てしなく対象を微分して東洋的な「無」に近づき過ぎたのか?

アトリエの静物たちは充分に埃がかかるまで待たされたと云う。
そこは果てしなく孤独な時間と空間の密度が濃厚だった。

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G・モランディの言葉。
「本当に理解するためには、多くの物を見るのではなくて、
見えているものを懸命に見ることが必要だ。」

もう一度展覧会に行って(4月10日まで)
それから散りゆく桜を見ても好いなと想う・・・。

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2016年03月16日

3月16日(水)春の前振りの様な長雨が続いた。冬の寒さ!お陰で風を引いてしまった。でも二日間熱が下がらなかったのできつかったが、今はウソのように全快!した。

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久しぶりに?外出してみた。
自然のサイクルは正確に回っていた。
椿、水仙、花モクレンが早くも咲きだした。
短い散歩だが風景も新鮮な感じに映った。
土の匂いがして犬のようにくんくんと鼻を鳴らす。
この雨のせいで桜の開花も早くなるとか。
鼻が利くようになったのは風邪が治った証拠。
腹がグーと鳴ったのでこの日は早めに散歩を終わらせ、
家に帰ってレトルトカレーを食べた!
近ごろの物は旨くなっている、良いことだと思う。

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そういえば前回のブログに今村太平氏の『イタリア映画』を紹介した。
また読み返してみると面白い事に気付いた。
本の奥付(表3)に著者の検印が貼り地けられていた。
「書籍の著者が発行部数を確認するために
紙の小片に著者の印章を押印して、奥付に添付していた。
現在では出版社と著者が契約書で合意して
検印省略・検印廃止となっている」

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発行年度は昭和28年、定価100円。
今の物価では1,500円(推定)ぐらいか?

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とにかく映画の理論書、
しかもイタリア映画とあっては特殊ジャンル。
当時先端の理論書であったようだ。
特別売れるものではなかったろう。
それにしても内容はそうとに力作で良い。
その頃、西欧の映画理論と言えばソビエト映画論が全盛だった。
プドプキン、S・エイゼンシュタイン映画史に残る巨匠たち・・・。
今村氏の功績はイタリアンネオリアリズムの紹介だった。

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今、手元にこの本を見ていると60年あまりの歴史の重みがある。
黄ばんでいて、戦後間もないものなので、
紙質も悪く、よく現在まで生きながらえてきた!なんという幸運なのか。

学生時代に出会って今までわたしの傍にいてくれたのだっから、
何よりも得難い財産のひとつなのだろう。
これからも大事にしなくてはとつくづくく思った・・・。

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熱も引いた頃に読みかけのミステリーを開く。

『霜の降りる前に』ヘニング・マンケル著 柳沢由実子訳 東京創元社
一挙600ページ余り(上・下巻)を読了。
久しぶりのH・マンケルの刑事ヴァランダーシリーズもの。
今回はほぼ娘のリンダが主役の様な展開。
刑事と娘の相克、何時しか彼女は警察学校を卒業。
あと何日かで父のいるイースター署に赴任することが決まっていた。
そんな時彼女の友人アンナが謎めいた失踪。
かなり前に家を出て行ったパパに出あったという・・・。
母親は何か隠しているようで、その件は語らない。
謎の宗教団体による殺人事件、教会への放火。
キリスト教がらみの反宗教者、殉教という名目のテロリズム。
事件は大きな謎に包まれたまま
イースター署の見習い警官リンダも巻き込む・・・・

かなりの力作!一気読みしたのだった。(Fuu!)

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この後のシリーズは娘のリンダが完全に主役予定?
前回も話したがヘニング・マンケル氏は
享年67歳で昨年無くなってしまった。

残念至極!!

さあ!もういい加減暖かい春になっておくれ。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言うじゃない!

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2016年03月09日

3月9日(水)昨日東京は20度越えの暖かさ、今日は朝から冷たい雨風で寒い。先日、久しぶりに霧を見た。三寒四温を繰り返し本格的な春になって行くようだ。

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それにしても春の天気は猫の目のみたいに変わる。
初夏の様な陽気から今日は逆戻り、寒い!
体調を崩す方も多いのでは。わたしは幸運にも花粉症にも罹らず、
なんとか毎日を過ごしているが、近ごろもの覚え悪く、物忘れがややある。
年なんだからと割り切っているがチト淋しい。

でも思い出した事がある。

先週、TOHOの三期生との集まりで、油谷監督さんが会話の中で
イタリアン・ネオリアリズム(戦後間もなくイタリアでおこった映画運動)
のことを覚えていた。
なんと我が家にはその頃の映画論の本があった。
(今村太平著 現代藝術選書たぶん絶版?)

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第二次世界大戦後のイタリア(ローマ)の荒涼とした都市風景と、
荒みきった人々の日常を淡々とドキュメンタリータッチで描いていた
ヴィトリオ・デ・シーカ( 『靴みがき』『自転車泥棒』など)
ロヴェルト・ロッセリーニ(『無防備都市ローマ』など)
その後イタリア映画はF・フェリーニ、
ミケランジェロ・アントニオーニ(『情事』『太陽はひとりぼっち』)
に引き継がれ、彼らはイタリアン・ネオリアリズムから出発したようだ。

そのころヨーロッパ映画は世界の最先端でいろいろ話題作が多かった。
フランスはヌーヴェル・バーグ、英米はニューシネマ。
毎日のように映画館や自主上映館を巡る日々だった。
映画を観終わってクラブの部室で先輩たちの話を聞く。
美学・哲学・文化人類学に話が及ぶと、
自分がいかに不勉強なのか思い知る。
60年安保で大きな挫折を味わった先輩が映画に回帰していたのだ。

学校の正規の授業は二の次で難しい本を読んでいた。
苦労して読んだ本の事を先輩に話すと、
「じゃあ、この本はどうかな・・・」と笑いながら紹介される。
先輩たちが良き先生だった・・・。

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それから十数年後、縁あって教師になったが、
生徒たちにはなるべく難しい映画や本を紹介した記憶がある。
「先生、この本読んでみましたがさっぱりわかりませんでした・・・」
「そうなんだ!難しい事に挑戦するのはいいことだ」(軽いノリで)
それでも喰いついてくる生徒は素晴らしいと思った。

その時、わたしは無意識に学生時代の自分と重ねていた気がする。
知ることの果てしなさ、そしてその意味は何か。
不可知論の罠に引っ掛からないように指導したのだが・・・。
(・・・現象を越えること、我々の感覚にあらわれる内容を超えることは、知ることはできない・・・)

近ごろは難解な映画が少なくなってきたようだ。
かつてA・タルコフスキーが撮った『ストーカー』(1979年ロシア)のような
哲学的命題を映像化した作品が。
この映画は、まるで原発事故跡の様な
廃墟を案内するストーカー(廃品盗人)に記者と科学者が同行。
やがて禁忌の部屋にたどり着くが、
そこは人間のよこしまな欲望を絶対的に拒否する処だった。

登場人物の哲学的・宗教的議論もたちまち無に帰してしまう神秘の部屋なのだ・・・・。

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1986年チェルノブイリ原発事故を予言したような
廃墟(ゾーン・隕石爆発跡)のシーンは恐ろしく美しいのだ。
そして、極めて退屈なのだ。
(廃線のトロッコで移動するシーンは必ず眠気が来る。『惑星ソラリス』にもある)
一瞬寝入って、起きても同じシーン。(5〜6分以上経過していた)
心地よい一時!
押し並べて彼の意識的なゆったりした映像は、
映画と言う夢の中に観ている者に夢を見させる。(無意識に下ろされる)
二重のレトリックを仕掛けているのかもしれない・・・。

油谷OBとの会話から延々と過去の事を思い出していた。

新しい事はさっぱり覚えられないのだが、
少し生きながらえていると古い記憶が甦ってくる。

年寄りの繰り言のように・・・・。(お退屈様でした)

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2016年03月03日

3月3日(木)今朝は朝から穏やかな春日。春風駘蕩(しゅんぷう、たいとう)のどかな一日でした。気がつけばもう弥生三月。桃の節句、陽も長くなり待望の春はすぐそこに来たようだ。

0303-1東博・梅

何とか生き長らえているといい事がある
教師をやっていたから・・・。

先週はふた組のTOHO・OB会に連夜参加。
放送芸術科が教場を転々としていた頃、
新宿ヒルトンホテルの別館で学んだクラス生。
学生数もその頃はとても多く手狭になり、
引っ越しを繰り返していた頃だった。
30年前、当時アメリカの大学と提携していて、
交渉事でサンフランシスコに出張帰り、
開講日に間に合い担当クラスにあいさつに行った。
教室のドアを開くと何か妙な雰囲気なのだ。
シーンとし過ぎている、不気味だ。
生徒たちは顔はもちろん、身体も一ミリも動かさない。
ただただ私を見つめている、息をつめて!
この時が彼ら「いつものA組」とのご縁だった。
後になって当時副担任だった谷先生(今は校長先生)に聞くと、
「彼らに君たちの担任は物凄く怖い人だ」と吹き込んだようだ。(笑い)
それでも初期の刷り込みが利いて私の講義は静かに聞いていた。
が、一年後の2月3日(私の誕生日)に教室で私は節分の豆をまかれた。
それ以来、クラスの一部の生徒たちは卒業してからも、
折に触れミニクラス会に呼んでいただいている。

0303-2石沢達


今回は折悪しく3人だけの集まりになってしまったが、
それはそれで話が親密にできて面白かった。
もうすぐ50歳になろうとする面々。
仕事やいろいろご苦労の多い年代と察するだけに、
割とリアルな話題になるのは仕方がない。
自分のその時とは比べようもないが、
ただただガンバレと祈るだけかも。
とにかく2年ぶりの再会、楽しかった。感謝します。

0303-3油谷達


続いて二夜目はまだ学校が無認可時代。(学校法人ではなく)
三期生。ようやく生徒が増えて学校らしくなっていった頃。
西新宿のビルの一隅に通ってきた生徒たち。
あれから40年経ってしまった。(私にはつい先日のように思える)
学生定期が無く苦労した話題から始まり、
当時の学生生活の記憶に残るエピソードを確認。
各自の思い出を酒杯を重ねるように語る。
還暦過ぎの面々とこうして再会できて懐かしさを通り越して、
なんだか自分の胸にことばにならない気持ちが満ちてきた。
この会はTOHO会会長の小河原さんのお誘い。
「30年ぶりにフランスから帰ってきた熊田さんや油谷監督が来る」
親子二代のTOHO生・滝沢さんやまだ業界で頑張っているOBたち。
「そうか!ここの皆還暦過ぎなんだ」

0303-4小宮山さんたち


これからは自分が納得する作品だけを撮りたいと油谷さん。
今、演劇の演出を楽しんでいますと小宮山さん。
T・Kだけを目指して今やその会社をやっている鈴木さん。
30年ぶりにフランスから帰国した熊田さん。
当時彼女のアルバイト先を訪ねて「おにぎり」を食べたことが
嬉しくって、今も昨日のように思い出します!
「当時、いろいろ悩み事で鬱々としていたときだけに来ていただいて感激しました」

それぞれ自分の人生を何とか生き抜いて今夜のご縁がこうして新たに生まれた。
楽しいひと時はお開きになり、わたしは一次会で失礼した。

0303-5鴨川食堂・タイトル


家に帰り油谷誠至監督のTV演出作品『鴨川食堂』を観た。
BS深夜帯なので録画を再生。
毎回、何か懐かしい思い出の食べ物を作ってくれるという噂の食堂。
しみじみと、依頼人のおいしかったあの食べ物が記憶とともに描かれる。
店主と娘はその再現を過去にさかのぼって、探る・創るそんな変わった食堂。
演出はゆったりとしたタッチでしみじみと見せる。
油谷さん、イイ仕事しましたね。(先週最終回)
面白く心に残る作品をお願いします!

0303-6油谷誠至


日曜日、上野の東京博物館に行った。
梅が満開。ほのかな香りがまた良し。
兵馬俑展も終わりやや静けさが戻ったようだ。
国宝、重文さまざまな歴史を経た作品。
文化の連なりをゆったり見るのは気分が良い。

0303-7東博・館内


・・・過去があるから今がある。

いい思い出、悪いことなどさまざまな事が、
年を重ねるたび地層のように重なっていく。
今日は昨日と違う、明日もそうなるのか。
些細なことを決めたり、決められたり、決められなかったり。
自分だけで生きているのではないから、
さまざまな事と出会い、分かれていく。

数多くの生徒たちと出会い別れ。
そしてまた出会った。

教職で良かったとつくづく思う。
そんなご縁をこれからも大切にしようと改めて感じた・・・。

もうすぐTOHOも卒業式を迎えるようだ。

0303-8東博・黒田清輝



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