2010年12月
2010年12月20日
12月20日(月) 永いこと念願だった「板橋区立美術館」を訪ねた。『深沢一郎美術研究所 〜進め!日本のシュルレアリスム〜』を鑑賞した。
先週、
小雪でもちらつきそうな天気の中、
はるばる板橋のはずれにある
美術館を訪ねた。
場所は、
都営地下鉄1号線の終点。
「西高島平」下車徒歩12〜13分、
埼玉との境。
東京初の区立美術館らしい。
いつも、
特殊な企画展をやることで
注目していたのだけれど、
ついつい行かずじまいだったことが
積み重なって、
今行くしかない!と決意した。
この企画展は、
なんといっても私の大好きな
戦前の日本シュルレアリスム(超現実主義)に
大きな影響を与えた、
福沢一郎の画塾の
研究員の作品が観られるからだ。
戦前パリに留学した福田は
G・キリコの影響を受けていたようだ。
塾生もS・ダリそっくりな画風で、
当時の新しい絵画の流れを
模索していたことが分かる。
明治以降日本の洋画壇は、
この時代も
ヨーロッパ絵画の先端芸術を
取り入れていたのだ。
今回のポスターを飾る福田一郎の「牛」が、
何とも言えず不思議な作品だった。
福田が満州旅行した時のモチーフ(人も牛も)。
ボロボロの亡霊のように描かれた大作だ。
「傀儡政権・満州国」
その危うさを表現しているのか、
この作品をオマージュにして
戦後、
円谷プロダクションで怪獣のデザインをした
高山良策の作品もある…。
冬木立ち
彫塑も寒き
美術館
義 彦
まだ早いかもしれないが、
今年一年は、
東放学園のOBの皆さんにとって、
どんな年だったのでしょうか?
わたしはこの年になって、
日、一日の積み重なり、
一年の重みは、
凄いものなのだと
少し解ったような気がします。
水鳥は優雅に漂って見えますが、
実は水面下では
猛烈な勢いで水を掻かなくては
沈んでしまう。
毎日の生活とはそうなのかも、
と思うのです。
来年も、
よりよく生きていかれんことを。
良い年でありますようお祈りします。
小雪でもちらつきそうな天気の中、
はるばる板橋のはずれにある
美術館を訪ねた。
場所は、
都営地下鉄1号線の終点。
「西高島平」下車徒歩12〜13分、
埼玉との境。
東京初の区立美術館らしい。
いつも、
特殊な企画展をやることで
注目していたのだけれど、
ついつい行かずじまいだったことが
積み重なって、
今行くしかない!と決意した。
この企画展は、
なんといっても私の大好きな
戦前の日本シュルレアリスム(超現実主義)に
大きな影響を与えた、
福沢一郎の画塾の
研究員の作品が観られるからだ。
戦前パリに留学した福田は
G・キリコの影響を受けていたようだ。
塾生もS・ダリそっくりな画風で、
当時の新しい絵画の流れを
模索していたことが分かる。
明治以降日本の洋画壇は、
この時代も
ヨーロッパ絵画の先端芸術を
取り入れていたのだ。
今回のポスターを飾る福田一郎の「牛」が、
何とも言えず不思議な作品だった。
福田が満州旅行した時のモチーフ(人も牛も)。
ボロボロの亡霊のように描かれた大作だ。
「傀儡政権・満州国」
その危うさを表現しているのか、
この作品をオマージュにして
戦後、
円谷プロダクションで怪獣のデザインをした
高山良策の作品もある…。
冬木立ち
彫塑も寒き
美術館
義 彦
まだ早いかもしれないが、
今年一年は、
東放学園のOBの皆さんにとって、
どんな年だったのでしょうか?
わたしはこの年になって、
日、一日の積み重なり、
一年の重みは、
凄いものなのだと
少し解ったような気がします。
水鳥は優雅に漂って見えますが、
実は水面下では
猛烈な勢いで水を掻かなくては
沈んでしまう。
毎日の生活とはそうなのかも、
と思うのです。
来年も、
よりよく生きていかれんことを。
良い年でありますようお祈りします。
2010年12月14日
12月14日(火) 師走 ・ 断章
月初めに友達が逝ってしまった。
卒業して家業を継いでいた、
寡黙な奴だった。
雨が来そうな生温かい日、
通夜に行った。
仲間も2人来ていた。
祭壇の写真が笑いかけていた。
お清めの席では、
皆多くを語らなかった。
やはり夜半から雨が落ちてきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
家人が並んで席を取った
「落語会」を聴いた。
柳家小三治が目当てだ。
前から三列目、いい席だ。
頑固で少し突っ放したような
クールさが好きだ。
今回は噺の枕が長かった。
でも好きな噺家なので、
それも良かった。
ついこないだまで中堅だった彼も
もう70歳を過ぎたらしい。
確かに話しの間合いや人物に
艶っぽさが出ている。
年を取って
芸に渋さが増してきたようだ。
次回もぜひ聴きたいと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
家の近くの文化ホールでは、
毎年恒例の
クリスマスのライトデコレーションが始まった。
いつもは暗い時刻なのに、
ツリーのイルミネーションが
鮮やかに光を放って
楽しい気分にさせてくれる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
年の瀬を
忙しいといひつ
遊ぶなり
星野 立子
2010年12月06日
12月6日(月) この頃、週末に時代劇映画を観ることが多くなった。三本連続して。
先週の土曜日
『武士の家計簿』(森田芳光監督)
を観た。
中高年のカップルで
満員だった。
早めに家を出たのだが
初日ともあって長蛇の列。
ここのところ
時代劇を観る機会が多くなったのは
なぜだろうか?
あの隠れた名作のリメイク『十三人の刺客』、
『桜田門外ノ変』と続いた。
「サムライ シネマキャンペーン」
だそうだ。
時代劇は
なぜか安心して観れる。
内容はともあれ
時代が今よりも
のんびりしているから。
この映画の特色は
なんといっても
剣劇シーンが全くないところ。
(道場での稽古の場面くらいか)
その代わり
“そろばん”が主役なのだ。
主人公の家は
代々、加賀藩の会計管理者。
いわば刀をそろばんに替えて
勤めてきた家である。
主人公(堺雅人)は結婚を機に
嫁(仲間由紀恵)とともに
火の車のわが家の
財政立て直しを図る。
息子にも
家計簿の会計を教える。
そして時代は
明治維新へと…。
いつもの時代劇とは
切り口が違い、面白く観た。
仲間由紀恵が抑えた演技で
好演していた。
演出は淡々としていて、
森田監督らしくないところが好い。
今度は洋画も見なければ…。